2026年度改定に向けた課題整理「これまでの議論のとりまとめ案=中間とりまとめに追加・補足」
■ 中長期的に検討すべき課題
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▼DPC/PDPSの評価方法に関する変更点
中間報告では漠然と示唆されていた高齢者医療とDPC/PDPSの不適合性が、今回のとりまとめではより明確に記述されました。
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「とりまとめ(案)」では、「高齢者は、複数疾患を併存している場合が多いこと、症状が非典型的に表れやすいことから、DPC/PDPSのように『医療資源を最も投入した傷病名』を一意に定めて区分を決める支払い方式はなじみにくい」という意見が明記されています。
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これにより、従来の疾患中心の評価方法が高齢者医療の実態に合わないという問題意識が、より強く示されたことが分かります。
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▼包括的な機能を持つ入院医療に関する変更点
「地域包括医療病棟」と「地域包括ケア病棟」の機能の連続性に対する議論が、継続的な検討課題として明確に位置づけられました。
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「とりまとめ(案)」では、両病棟に期待される機能が連続的であることを踏まえ、「より適切な患者別の評価の実現に向けて、引き続き最新の診療データを用いた分析を行う」など、継続して検討する必要があるという方針が示されています。
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▼介護の必要性を反映した評価方法に関する変更点
医療行為だけでなく、介護の必要性を評価に反映させるという新しい視点が、具体的な検討課題として提示されました。
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「とりまとめ(案)」では、「『医療資源投入量』が同程度でも、高齢者のADLや要介護度は様々であり、これらに要する看護ケアの必要度は『医療資源投入量』という考え方のみでは推し量れない部分がある」と指摘しています。
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これらの変更点から、中間報告での意見交換を経て、より高齢者医療の実態に即した評価方法を模索するという方向性が明確になったことがわかります。
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その上で、「高齢者の介護の必要性を反映することができる評価方法とすることも考えられる」と明記し、療養上の世話やケアの必要度を評価に取り入れるべきだという、踏み込んだ議論がなされたことが明らかになっています。