HMIレポート
データヘルス改革のポイント解説(動画コンテンツ)
・患者の受診控え、呼吸器疾患患者の減少
・診療・検査医療機関の指定、検査キットの開発
・オンライン診療と0410対応の進展
・マイナンバーカード(ICチップ・電子証明書)
・マイナポータル(個々人のMyページ)
・マイキープラットフォーム(自治体サービス)
・被保険者番号の個人単位化(2桁枝番の付番)
・オンライン資格確認等システムの稼働
・電子処方箋・PHRサービスのポイント
1. マイナンバーカードを起点とした政策の全貌
そして、「マイナンバーカードが健康保険証として使用される理由・背景」においても、この3つが密接に関与している点が押さえておきたいポイントだといえます。さらに、【①コロナ禍の医療提供体制】で顕在化された課題の克服、【②マイナンバー制度】を活用した健康管理における個人の行動変容を促すものとなり、これらが【③データヘルス集中改革プラン】の相乗効果となり、社会保障改革やデータヘルス改革における2040年のゴールである「健康寿命の延伸」が実現されていく訳です(下図)。
2. コロナ禍の医療提供体制とデジタル化
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相次ぐ医療機関のクラスターの発生・報道により、受診を控える(控えた)患者も少なくありません。しかしながら、長期処方や電話再診、さらに特例的な0410対応により、慢性疾患等の薬物療法が不可欠な患者の受診控えは最小限に留まっている状況です。依然として患者が戻らないという感覚の医療機関があれば、受診控えではなく、「患者が病気にかかっていない」あるいは「他の医療機関へ転院した」と考えるのが妥当かもしれません。
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患者が病気にかかっていない根拠としては、昨年同期の厚労省統計などを参照することで推察ができます。他の医療機関へ転院したと考える理由は、コロナ禍の状況を勘案してオンライン診療を取り入れるなど、患者受入を積極的に行っている医療機関もあるからです。 -
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2020年10月より、各都道府県が「診療・検査医療機関」を指定し、その指定医療機関を中心に、新型コロナとインフルABの疑いがある発熱患者の検査・診療を実施する新たな医療提供体制がスタートしました。新たな体制では、「かかりつけ医」と「受診・相談センター」が相談窓口を担い、地域医師会などが感染を判別する「地域外来・検査センター」を立ち上げ、検査も診療も行うのが「診療・検査医療機関」となります。
東京都では「診療・検査医療機関」を非公表、埼玉県では公表とするなど、各都道府県の医療資源や考え方により、体制整備や情報発信が変わりますので、よく地域動向を確認しておくことが肝要です(下図)。いずれにしても、地域医療の崩壊を防ぐ手立てとして、地域の動向に注視していくことが大切です。 -
そして、発熱患者への対応も期待されるのが、「オンライン診療および0410対応」です。かかりつけ医が発熱患者の診療をオンラインで行い、新型コロナかインフルABの疑いがあれば「診療・検査医療機関」を紹介するのがスタンダードになるかもしれません。
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3. マイナンバー制度における私たちの暮らし
- マイナンバー制度は、直接的に医療機関・薬局が関わる話ではありません。しかしながら、住民票を持つ国民一人ひとりが関わる制度であり、データヘルス改革との関連性は押さえておきたいテーマだといえます。マイナンバー制度では、「マイナンバーカード」「マイナポータル」「マイキープラットフォーム」の3つの基盤・ツールが用いられています(下図)。
それぞれの詳細はここでは割愛しますが、「マイナポイント」や「マイナ受付」が導入される背景やPHR・PDS・情報銀行との関係、テクノロジーの進化により予見される環境変化を知っておくことで、時代の流れに即した準備ができるでしょう。
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- なお、「マイナポータル」に関しては、医師や薬剤師など31職種の国資などの手続きのオンライン化が検討され、国家資格等管理システムの構築が審議されているため、医療従事者にとって他人事ではないという状況に変わってきた点に留意しなければなりません(下図)。
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4. データヘルス集中改革プランのポイント
- データヘルス集中改革プランは、コロナ禍において露呈された医療分野のデジタル化の遅れを取り戻すために、「オンライン資格確認等システム」「電子処方箋」「PHRサービス」の3つを重点的に整備する計画です。
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2022年夏までを照準にしたスケジュールを確認すると、既にマイナポータルで閲覧できる情報もあり、今後徐々に利用範囲が拡大されていく形となります。今のところ最終形は誰も分からず、テクノロジーの進化とともに機能とセキュリティが向上されて、医療機関や薬局の現場関係者、そして患者・国民が使いやすいものになっていくものと思います。菅政権の看板政策である「デジタル庁の創設」に関しては、マイナンバー制度やデータヘルス改革にも深く関与していくでしょう。
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他方、医療機関・薬局におけるマイナ受付対応としては、顔認証付きカードリーダーの無償支給とシステム改修の補助事業が進められ、11月初旬の顔認証付きカードリーダーの申込率は2割弱となっています。厚労省では2021年3月稼働時の6割導入に向けた切り札として改修費用を実費補助に変更(下図)し、大詰めを迎えてきた状況です(11月追記)。

本編の考察
(参考:動画コンテンツの特徴)
≪概要≫
この動画では、オンライン資格確認等システム(マイナンバーカードの健康保険証利用)の話題を中心に、関連する重要な情報を集約して解説しております。
現場関係者との対談・雑談形式で約1.5時間の収録しており、一気に観られない方は7日間内で数回にわけてご受講いただけます。料金は税込1,100円です。スライド資料もダウンロード可能です。
≪対象者≫
・医療機関・薬局のすべての関係者、および医療機関・薬局の取引業者
(例えば、医薬品卸・製薬メーカー・レセメーカー・金融機関など含む)
・オンライン資格確認のシステム導入をためらっている経営者
・オンライン資格確認の関連情報をしっかり確認したい現場担当者
※オンライン資格確認の概要の確認であれば、厚労省動画で十分まかなえます。
≪確認できるポイント≫
・データヘルス改革の意義、将来的な展望
・コロナ禍の医療提供体制の着眼ポイント
・ツインデミックに備えた診療・検査医療機関の指定の経緯
・データヘルス改革とマイナンバー制度の関連性
・小児科・耳鼻咽喉科の患者減少の理由
・オンライン診療と0410対応の今後の行方
・コロナ禍の医療経営における5つの確認ポイント
・マイナンバーとマイナンバーカードの使い道
・国家資格等管理システムとマイナポータルの関係性
・マイキープラットフォームとマイナポイントの関係
・パスワードレス社会への展望と広がる可能性
・共通IDに個人単位化した被保番が使われる理由
・新型コロナにより拍車がかかったデータヘルス改革
・2つの審査支払機関の新たな機能と役割
・データヘルス集中改革プランのスケジュールとポイント
・閲覧できる薬剤情報とお薬手帳の関係性
・マイナ受付(マイナンバーカードの健康保険証利用)の留意点
・顔認証付きカードリーダーの操作と注意ポイント
・オンライン資格確認の未導入による患者デメリット
・オンライン資格確認の導入に欠かせない3つの準備と5つのSTEP
・電子処方箋のリニューアルによる押さえておきたい変更点
・HPKIの今後、国家資格等管理システムとの関連
・電子処方箋によるオンライン診療と服薬指導の一気通貫
・PHRを利活用する主体と将来性、PHRとEHRの違い
・PHRサービスと情報銀行やPDSとの関連性
・医療機関・薬局におけるPHRサービスを介した外部連携
・データヘルス改革を中心とした制度改革の行方
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