2026年度改定に向けた課題整理「個別事項19 残薬対策」
2025/12/19
今回は、2025年12月19日開催の中医協総会において示された「個別事項19 残薬対策」についてまとめられた課題・評価の方向性を整理していきます。
■ 3つの残薬対策
▼残薬の発生を抑制するための対策
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【かかりつけ機能の活用・ポリファーマシー対策】 多剤併用(特に高齢者における6剤以上の投与)は、副作用のリスクを高めるだけでなく、服薬管理を困難にし残薬発生の要因となるため、処方の最適化を図る。お薬カレンダーやブラウンバッグなどの服薬支援ツールの利用促進、過剰な処方を未然に防ぐ医療DXの推進を徹底。
▼残薬の確認に関する対策
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【患家宅訪問による確認】 在宅患者のみならず、外来患者に対する残薬確認の実効性を高める観点から、残薬状況を薬剤服用歴に明記し て継続的に管理することや、患者や家族の求めに応じて患家訪問し残薬確認を行うことへの評価。
▼残薬解消に関する対策
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【処方日数の調整・処方箋様式の活用】 薬剤師が残薬を確認し、薬局での調整を円滑にする処方箋の中で「残薬調整後の報告可」チェック欄の徹底。
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【多職種連携】 入院時や退院時、あるいは在宅医療において、医師・薬剤師・ケアマネジャー等が情報を共有し、継続的に残薬を解消する体制の整備。
(考察)
残すなら出さない 飲んでいないなら出さない、では済まされない残薬対策。「発生の抑制」「確認」「解消」という一連のサイクルは、継続していくしかなく、患者の様々な残薬に対する価値観を確認していくことがポイントになりそうです。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理

