2026年度改定に向けた課題整理「個別事項17 8つの指摘事項の確認」
■ 8つの指摘事項の確認
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【高額ステーションの実態】 月当たりの平均医療費が高額な上位100ステーションでは、同一建物居住者への訪問が多く、難病等複数回訪問加算等の算定割合が極めて高い(97.8%)ことが判明。
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【ケア内容の差異】 高齢者住宅等への頻回訪問は、一般利用者への訪問と看護の提供の仕方が異なるため、包括的な評価体系の検討など適正化の必要性が指摘。
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【算定病名の実態・処方との関連】 全算定患者のうち、気管支喘息(12.8%)や慢性胃炎(9.2%)が上位を占めている。胃潰瘍を主病名として管理料を算定しながら、胃潰瘍の原因となり得るNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を処方されているケースが約6.5%存在することが判明。
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【拘束内容の内訳】 回復期リハビリテーション病棟では、物理的な固定だけでなく、離床センサー等の「見守り」目的の対応も多く含まれている可能性を指摘。
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【施設間差の要因】 療養病棟等において身体拘束の実施率に施設差がある要因として、経鼻経管栄養や中心静脈栄養といったデバイス使用状況の詳細な分析が必要。
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【廃用症候群の割合】 障害者施設等入院基本料を算定する病棟において、リハビリテーション実施患者のうち「廃用症候群リハビリテーション料」を算定している患者の割合が一定数存在。
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【実施状況の精査】 短期滞在手術基本料を算定する手術種別において、入院期間の短縮や術後管理の実態に応じた評価の在り方が議論。
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【入棟時評価の妥当性】 重症患者割合の基準について、リハビリテーションの効果を適切に反映できているか、また入棟時のFIM(機能的自立度評価法)スコアの分布に基づいた精緻な分析が必要。
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【評価項目の見直し】 ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)における「重症度、医療・看護必要度」について、現在の医療現場の実態や、看護業務の負担をより正確に反映する指標への見直しを提案。
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【実施体制の要件】 オンライン診療の精神療法について、対面診療との組み合わせの原則や、適切な診療が行われるための施設基準・算定要件の明確化を指摘。
(考察)
今回、問題点の確認として、「訪問看護」の一部の高額ステーションにおける「同一建物居住者への頻回訪問=経営効率の良いビジネスモデル」の実態、「特定疾患療養管理料」の「胃潰瘍=ずさんな管理」が特定されました。あとは、実態把握という形で要件にどう反映されるかは予想が難しい印象です。

