2026年度改定に向けた課題整理「賃上げその1」
2025/12/05
今回は、2025年12月5日開催の中医協総会において示された「賃上げその1」についてまとめられた課題・評価の方向性を整理していきます。
■ 賃上げその1
▼評価のあり方と継続的な評価方法
-
【検討の方向性】 賃上げの実態をどの程度、どのような指標(例:賃金総額、平均給与額、職種別賃金)を用いた評価体系にするか。既存の評価料(看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料)を継続する場合、事務手続きを簡素化・軽減しようとすると、個別の賃上げ努力や実態をきめ細かく評価することが難しくなり、評価の公平性・精度が低下するトレードオフの関係をどう解決するか(例えば、評価の算定要件や算定額を調整することで、精緻さと簡素さのバランスを取る)。
▼幅広い医療機関の賃上げに向けた簡素化等
-
【検討の方向性】 賃上げ率の計算や、必要な賃金関連データの収集・算出方法について、簡略化できる指標(例:既存の統計データとの連動、一定の要件を満たせば簡便な算出を認めるなど)を導入できないか。届出書の記載項目を削減したり、自動計算ツールを導入するなど、届出様式そのものの簡素化を進める。あるいは小規模医療機関向けに、特別な簡素化された届出様式や簡略化した算定方法(例:一定額以下の規模では簡便な届出を認めるなど)を設けるか。
(考察)
処遇改善はプラス改定が確実な点数です。一律にバラマキせずに、医療提供体制の維持と、そこで働く職員の処遇改善という二つの重要な目標を達成するために、制度設計のテコ入れが行われます。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理

