2026年度改定に向けた課題整理「個別事項その9 データ提出加算」
2025/11/26
今回は、2025年11月26日開催の中医協総会において示された「個別事項その9 データ提出加算」についてまとめられた課題・評価の方向性を整理していきます。
■ データ提出加算
▼検討事項
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【精神科系入院料の拡大】 新たにデータ提出加算の届出を、精神病棟入院基本料(15対1・18対1・20対1)の届出の要件とすること。
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【経過措置の継続と終了時期の検討】 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」における2030年までの電子カルテ導入目標を踏まえ 、当面の間の経過措置は継続しつつ 、電子カルテの普及状況を検証しながら、経過措置の終了時期について引き続き検討。
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【提出を求めるデータ(様式1)の見直しと負担軽減】 様式1(簡易カルテ情報)の既存項目のうち分析実績に乏しいものなどの「削除」、項目の「修正」、および今後の分析に必要な項目の「新設」を検討。
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【提出を求めるデータ(様式1)の負担軽減】 平均在院日数が長い療養病棟等について、退院・転棟時だけでなく、在院日数が一定期間を超えた際にも入院中に様式1を作成・提出すること(データ提出の適時化)の是非。
(考察)
データ提出加算は、医療DXを推進する上での極めて重要な基盤として位置づけられます。この加算は、単に診療報酬の評価を行うだけでなく、医療データの標準化、収集、利活用を促し、医療DXの目標達成に直結する役割を担っています。
とりわけ診療報酬上の評価は、収集されたデータに基づき、診療実績や医療の質(アウトカム)を分析・評価することが可能になります。これにより、単なる「出来高」ではなく「質」や「結果」に着目した、より適切な診療報酬上の評価体系を構築することを目指しています。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理

