2026年度改定に向けた課題整理「歯科医療その2」
2025/11/21
今回は、2025年11月21日開催の中医協総会において示された「歯科医療その2」についてまとめられた課題・評価の方向性を整理していきます。
■ 歯科医療その2
▼歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療
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【口腔機能管理の評価】 「口腔機能管理料」や「小児口腔機能管理料」について、患者・医療提供者の双方が分かりやすく、適切な管理が行われるような評価内容を検討すべき。
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【治療・管理の推進と財政】 生涯にわたる治療・管理の大きな方向性は理解できるが、財政影響を考慮し、効率化や適正化とセットで評価すべきポイントを検討する必要がある。
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【歯科疾患管理料の見直し】 初診からの算定や書面同意の必須化に関する現状を見直し、継続的・計画的な管理の在り方を根本に立ち返って議論すべき。
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【歯周病の管理】 「歯周病安定期治療」と「歯周病重症化予防」の違いが患者に分かりにくいため、患者にも分かりやすい形に考え方を整理すべき。
▼多職種連携
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【病院歯科の評価】 歯科診療所の後方支援機能病院としての役割をさらに評価すべき。
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【医科・薬局との連携】 糖尿病患者に関する連携や薬局との連携が着実に推進できるよう、実効性のある双方向での評価が必要。
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【連携の適正化】 連携のボトルネックを見極め、似たような項目の整理も含め、適正化とセットで実効的な評価の在り方を検討する必要がある。
▼歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保
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【専門性の発揮と人材定着】 前回改定で導入された各種連携のスキームに実効性を持たせる工夫をし、それぞれの専門性が発揮され人材定着につながるようにすべき。
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【加算の検証】 「口腔機能指導加算」や「歯科技工士連携加算」の令和6年度改定の検証と、令和7年度に引き上げた効果を示すことが、次の対応を検討する大前提となる。
▼歯科治療のデジタル化等
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【CAD/CAM冠の適用拡大】 保険適用となる症例の制約を緩和し、メタルフリーが一層推進されるような対応を検討すべき。
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【光学印象の評価】 光学印象をさらに評価すべき。
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【耐久性の考慮】 CAD/CAM冠の適応拡大は効率化に資する一方で、金属と比較して耐久性が低いことから、患者が不利益を被らないような対応も合わせて検討すべき。
(考察)
次期診療報酬改定に向けた歯科の論点は、「口腔機能管理の充実と多職種・デジタル連携による歯科医療提供体制の強化」となります。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理

