2026年度改定に向けた課題整理「入院時の食費・光熱水費その1」
2025/11/07
今回は、2025年11月7日開催の中医協総会において示された「入院時の食費・光熱水費その1」についてまとめられた課題・評価の方向性を整理していきます。
■ 入院時の食費・光熱水費その1
▼入院時の食費
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【基準額のさらなる見直し】過去2回の引き上げ後も続く食材費等の高騰を踏まえ、更なる入院時の食費の基準額の見直しをどう考えるか。
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【嚥下調整食の評価】嚥下調整食について、調理にかかるコスト(食材費)と、患者の栄養管理・QOL向上の観点から、評価のあり方をどう考えるか。
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【追加料金の見直し】多様なニーズに対応するための追加料金(特別メニュー)の内容や標準額(1食あたり17円)をどう見直すか。
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▼入院時の光熱水費
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【関連事項の経緯】2006年の入院時生活療養費制度の創設では、介護保険施設(介護病床など)と療養病床(医療保険)の間で、食費と居住費(光熱水費を含む)の患者負担の均衡を図る観点から行われました 。2017年10月には、介護報酬改定で家計調査に基づいた見直しが行われたことに伴い、自己負担額が50円引き上げられる見直しが行われています。
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【基準額の見直し】近年の光熱・水道費の高騰を踏まえた対応を行う観点から、家計における光熱・水道支出 を勘案して行われた2024年度介護報酬改定による多床室の居住費の基準費用額の引上げを踏まえ、入院時の見直しを行うべきか。
(考察)
入院時の食費・光熱水費の基準額の見直しは、患者負担にも直結します。
ただ見直しを行わなければ、医療機関の経営を圧迫し、結果的に医療サービスの質(特に食事の質)を損なう懸念があるため、時限的・緊急的な措置として、補正予算等による支援の可能性もあるでしょう。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理

