2026年度改定に向けた課題整理「調剤その1」
2025/09/10
今回は、2025年9月10日開催の中医協総会において示された「調剤その1」についてまとめられた現状の課題と論点を整理していきます。
今回示された改定に向けた論点は、調剤中心であった業務から、患者一人ひとりに寄り添う対人業務への移行が鮮明になっている点を踏まえ、機能強化と対人業務のさらなる拡充がポイントに挙げられます。
-
■ 薬局・薬剤師の現状
-
【薬局数と薬剤師の偏在】 全国の薬局数は増加している一方で、大都市圏に集中し、薬剤師も一部の都道府県に偏在している。
-
【対人業務へのシフト】 調剤報酬改定により、技術料の約5割を薬学管理料が占めるなど、調剤中心から患者さんとの対話や連携を重視する対人業務への移行が進んでいる。
-
【個別評価の増加】 フォローアップや残薬解消、医療機関との連携を評価する加算の算定回数は増加傾向にある。
-
【体制の変化】 大型門前薬局の評価見直しなどにより、調剤基本料1以外の薬局が増加し、地域支援体制加算を届け出る薬局も増えている。
-
-
-
■ 論点
-
【医薬品供給拠点としての機能強化】 調剤基本料や地域支援体制加算などの調剤技術料について、地域における薬局の役割を一層強化するために、どのように評価すべきか。
-
【対人業務のさらなる拡充】 調剤管理料やかかりつけ薬剤師指導料などの薬学管理料について、薬剤師の対人業務をさらに広げるために、どのように評価すべきか。
-
-
(考察)
今回示された改定に向けた論点は、調剤医療費の適正化(点数の減額)ではなく、対人業務が伸びる中で、地域の医療を支える重要な担い手へと進化を続けている薬局・薬剤師の役割へのさらなる期待が感じられる内容となった点が印象的です。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理