2026年度改定に向けた課題整理「歯科医療その1」
2025/09/10
今回は、2025年9月10日開催の中医協総会において示された「歯科医療その1」についてまとめられた課題・評価の方向性(論点)を整理していきます。
今回示された改定に向けた論点は、多様化するニーズや歯科医療資源に適応していくために不可欠な「患者中心の歯科医療」と「医療提供体制の強化」であり、地域特性に応じた歯科医療提供体制の構築に向けた評価が期待されます。
-
■ 患者中心の歯科医療
-
【障害者歯科】専門医療機関での歯科医学的管理を推進するため、評価を検討する。
-
【ライフステージに沿った管理】ライフコースに合わせた「歯科疾患管理料」「小児口腔機能管理料」「口腔機能管理料」などの評価や、小児の咬合育成、歯科矯正相談の評価を検討する。
-
【生活の質の向上】 義歯や歯周病治療など、「食べる」「話す」といった生活に直結する歯科医療の評価を検討する。
-
-
-
■ 医療提供体制の強化
-
【へき地医療】 歯科医療が不足している地域に対し、自治体と連携した巡回診療の評価を検討する。
-
【多職種連携】 医科・調剤など他職種との連携を深めるため、「周術期口腔機能管理」などの評価を検討する。
-
【人材の確保】 歯科衛生士や歯科技工士の定着・確保を図るため、それぞれの業務に関する評価を検討する。
-
【デジタル化の推進】 効率的な歯科治療のため、「CAD/CAM冠」や「光学印象」など、デジタル技術の適用範囲と評価をさらに推進する。
-
-
(考察)
地域住民のニーズに応じた、歯科医療機関の機能分化(かかりつけの歯科診療所、専門性機能を持つ歯科 診療所、大学病院・病院歯科等)、それぞれの歯科医療資源の確保に着目した改定になることは確実です。
▼2026年度診療報酬改定のポイント整理