かかりつけ薬剤師に聞く
メリットは、患者さんをトータルサポートできる事
健康サポート薬局がこれからの目標です
富永かかりつけ対象患者さんへの対応について教えてください。
齋藤さんご自分の検査データを直接持っていらっしゃるようになりました。糖尿病を患っている方なのですが、ご自分の病気や治療法について、なかなか結果が出ないなどいろいろと相談を受けました。
患者さんのバックグラウンドも把握できるようになるので、その方に合わせた日常生活の食事や運動なども助言させて頂き、生活の質の向上に結び付いているのではないかと思います。
ブラウンバックを渡すと残っている薬を何か月分か入れて持ってきてくれました。かかりつけでなければ恐らくお持ち頂くことは難しかったと思います。患者さんとも信頼関係を築くことができ嬉しく思っています。
富永薬局全体で取り組んでいることはありますか?
齋藤さんかかりつけ薬剤師指導料を算定している方は多くないので、意識や体制等、特に以前と変わったことはありません。お薬手帳をみて複数の薬局から薬をもらっている患者さんにはひとつの薬局で薬をもらった方がよいですよと声掛けをしています。非常勤の薬剤師もかかりつけ薬剤師指導料の算定については声掛けをしてくれています。
薬局としては、在宅訪問にも力を入れています。私はターミナルの方や大きな病気を患いADLが低下している方等、月に40件ほどお伺いしています。6名の薬剤師全員が在宅訪問をしておりますが、患者さんの日常に即して最期のときまで薬剤を通してかかわることができることは有難いことであり、ターミナルにおいても薬剤師の介入の大切さを感じています。とてもやりがいがある仕事です。地域包括の会議にも参加して連携を深めています。
富永齋藤さんのめざす薬局づくりについて教えてください。
齋藤さん一昨年「患者のための薬局ビジョン」が発表されたことは、私にとってとても大きな衝撃でした。私は以前病院で勤務しており、疾病名と検査データなど客観的な指標も把握した上で患者さんへの指導を行ってきました。一方、薬局では患者さんの訴えと医師に聞いた話だけで判断することになります。
重複投薬や併用薬についても適切な評価ができるのかと疑問に思っていました。地域住民のトータルヘルスケアを担う存在として「健康サポート薬局」がこの薬局の目標となりました。OTC医薬品の販売にも力をいれていきたいと計画していますし、来年度は仙台市の紙おむつなどの介護用品支給事業にも参加致します。薬局が少ない地域なので、地域住民のためにできることはやっていきたいと思っております。なくては困る存在でありたいと考えています。
若い薬剤師には、かかりつけ薬剤師になるまで3年という期間があります。患者さんから選んでもらえるだろうかと不安があるかと思いますが、ぜひ自分の専門分野や得意な分野を持って欲しいと思っています。自分が興味をもつ分野に関してでもいいと思います。患者さんへ自信を持ってお伝えできるようになれば、それを武器として患者さんから選んでいただけるとも思うのです。
編集後記