かかりつけ薬剤師に聞く
メリットは、患者さんをトータルサポートできる事
かかりつけ薬剤師がいれば、安心感が増します
富永齋藤さんのイメージする「かかりつけ薬局」とはどんな薬局でしょうか?
齋藤さん今まで、患者さんは近隣の医療機関でかかっている一つの疾患における不安を、薬局で相談されていました。
薬局では、お薬手帳を見せてもらいながら、他の疾患のことなども遠慮がちに話を聞くことはありましたが、トータル的な薬物評価はできていなかったと思います。
患者さんからみれば、かかりつけ薬剤師がいれば気軽にいろいろな不安を相談することができ安心感が増しますので、双方にとってメリットがあると思っています。
富永どのような患者さんをかかりつけ薬剤師指導料の算定対象としているのでしょうか?
齋藤さんおひとりは、慢性的な疾患をお持ちのため大学病院の内科にかかっている方で、他に眼科、整形外科、泌尿器科の近くの薬局で薬をもらっていました。以前は検査値の内容も把握できずにいましたが、一元管理が必要と考えて、この制度のことを説明しましたところすぐに「ぜひお願いします」と返事がありました。今では、服薬情報の一元管理ができて、検査値の情報も把握できています。
他には複数の疾患をお持ちの方で、ハイリスク薬を処方されておりますが、薬は自己管理をされている方で、ずいぶん前からこの薬局を利用してくださっていました。私自身以前からとても気にかかっている方でした。
富永かかりつけ薬剤師料の声掛けで苦労されたことはどのようなことでしょう?
齋藤さんこの地域は高齢者が多く、歩くのも大変な方も多いのでバスを利用して様々な医療機関にかかっています。この薬局は団地の入り口にあり、他の医療機関の処方箋を薬局に持ってくるとなるといったんバスを降りることになります。患者さんにとっては手間になってしまいます。かかりつけ薬剤師のお声掛けを行うかどうかは、住所と医療機関を見て判断しています。
複数の医療機関にかかっている方に対して、お薬手帳で以前から飲み合わせのチェックをしておりますが、バスを利用されている方にはかかりつけの薬局になっていただくのは難しいと思っています。