かかりつけ薬剤師に聞く
かかりつけ薬剤師業務にやりがいを感じています
処方箋なしでも気軽に入れる薬局に
富永対象患者さんへの対応で印象に残ったことを教えてください。
佐々木さんある薬剤師の対応例ですが、インスリンの注射をしている高齢の患者さんが、相談の電話をかけてきたことがあります。朝食前自己血糖測定を行ったところ、いつもは120~130ぐらいの血糖値なのに、90だったことから自己判断でインスリン注射を中止されたそうです。
ところが、昼食前に血糖値を測定してみると200を超えており、あわててインスリンの単位の変更と内服をどうするかを相談されました。自分では医師へうまく伝えられないということで、薬剤師が医師に連絡をとって対処しました。
また、残薬については医師にはなかなか言えないけれども薬剤師には素直に言ってくれることが多く、薬剤師から医師に伝えて調整しています。なお、残薬があるという患者さんには、かかりつけの対象とは関係なしに「ブラウンバック」を差し上げて、残っている薬を事前に持ってきてもらっています。何日分残っていますとお薬手帳に書き込んで対応しています。
それから、病院に受診する前に薬局に寄って、「この薬はもう必要ないと思う」「以前のこの薬ももらいたい。どのように医師に伝えたらよいか」など相談される患者さんもいらっしゃいます。そのような場合はお薬手帳に付箋をつけたり、直接手書きしたりして、医師へ見せるように伝えています。よく医師へうまく伝えられず違う薬が処方されてしまったこともありましたので、薬局にまず寄って相談してから受診という流れはいいのではないかと思っています。
富永薬局全体で取り組んでいることはありますか?
佐々木さん会社全体では、「接遇力」のアップに取り組みました。相談しやすい雰囲気をつくることが大事なので、「あいさつ」のことを学びました。口角を上げる、目線、挨拶の角度、声のトーンなどを意識して患者さんに接しています。電話応対の仕方も習いました。他の薬剤師が担当となっているかかりつけの患者さんがいらっしゃったときは「〇〇が大変お世話になっております」と話すことにしています。
かかりつけの患者さんがいらっしゃったら、すぐに業務を交代して患者さんへ対応できるようにしています。そのときも直接近くに行って挨拶するようにしています。かかりつけの患者さんのご家族に対応する場合も、同じ薬剤師が対応するようにしています。
富永佐々木さんのめざす薬局づくりについて教えてください。
佐々木さん処方箋なしでも気軽に入れる薬局をめざしています。たとえば、OTC薬を買いに来る方は覗きながら入ってくることが多いですね。今日もロキソニンを買いにいらした方がいました。「処方箋をお持ちですか?」と聞くのではなく「何かお探しですか?」と聞くなど処方箋ありきの対応はしないようにしています。生活雑貨やサプリメントなども置いていますので、処方箋以外の相談も親身になってうけるようにしています。相談しやすい環境づくりに力を入れていきたいです。
仙台市薬剤師会で推進している介護用品の「おむつ」などの対応もしています。町内会のお薬の話や相談会なども依頼されることもあります。そのような依頼は、かかりつけの患者さんからされることもあります。高砂地区の介護の集まりから多職種連携につなげられますし、地域包括支援センターやケアマネからの相談もあります。医師とも顔の見える関係になっています。今後も地域とつながっていきたいと思っています。
編集後記