かかりつけ薬剤師として患者にやさしい医療を

今回はマリーン調剤薬局荒井店の管理薬剤師の鈴木健悟さんに、店舗での取り組みについてお聞きしました。

この店舗は薬剤師の平均年齢は20代後半で、若いスタッフが多く、明るくゆったりとした雰囲気の薬局です。小児の患者が多いので、店内を手づくりで飾りつけたり、折り紙で作ったキャラクターを渡したり、白衣に子供達に人気のキャラクターのバッチをつけたりしています。スタッフは日々の業務に追われながらも、患者さんを大切に考えて工夫して店づくりをしています。
 
インタビュアー 富永敦子

説明すると「必要ですよね」と納得していただけます

富永鈴木さんのイメージする「かかりつけ薬局」とはどんな薬局でしょうか?

鈴木さん住民の健康を守るという視点をもった健康相談所です。処方箋がなくても、立ち寄って相談できる、また、検査値、副作用、相互作用などを総合的に確認していく、いわゆる健康サポート薬局です。以前から、なんでも相談しやすいかかりつけ薬局の必要性を感じていました。

かかりつけ薬剤師制度ができたことをきっかけに自分もかかりつけ薬剤師として頑張っていこうと取り組んでいます。が、患者さんに「かかりつけ薬剤師」が浸透するには、まだ時間がかかるように思います。患者さんのニーズを探りながら取り組んでいきたいと思います。

 

富永どのような患者さんをかかりつけ薬剤師指導料の算定対象としているのでしょうか?

鈴木さんまず、初回質問票に「当薬局の薬剤師をかかりつけ薬剤師として登録していただいてもよろしいですか」という項目を入れて、「はい」と答えた方に説明を行うことにしました。同意をいただくことができた方には、担当薬剤師を選んでいただくことにしています。

 
また、慢性疾患をかかえていて服薬に関して不安を感じている方や併用薬が多い方はかかりつけの必要性が高いと思われる方に声掛けをしています。服薬指導のカウンターの側面にラミネートした「かかりつけ薬剤師」についてのポスターを貼っているので、それを見ていただきながら説明をしています。この方針はスタッフ全員で話し合って決めました。
 
かかりつけ薬剤師算定の患者さんはこの地域にお住まいの方が多いです。私たちも住所を確認してから説明するようにしています。地域の薬局として住民の健康をみていきたいと思っています。

富永かかりつけ薬剤師料の算定に関して課題はありませんでしたか?

鈴木さんかかりつけ薬剤師の登録に同意をいただいた方が久しぶりに来局された際に確認を行うと、以前お伝えしたかかりつけ薬剤師の役割について伝わっていないことがありました。「何をしてくれるのでしたか」と聞かれることもありますが、再度説明すると「必要ですよね」と納得していただけます。

 

富永対象患者さんへの対応はどのようにしていますか?

鈴木さん患者さんへは独自の「ブラウンバック」を渡して、不要な薬剤をもってきていただいております。患者さんは私達が想定するよりも大量の薬剤を入れて持ってくることが多く、その大半は期限がわからなくなった薬剤や残った薬剤などです。その薬剤について確認して残薬等整理をしています。

また、24時間電話対応については、以前算定していた基準調剤薬局の時よりも電話は多く、2~3日に1回はかかってきます。相談内容はサプリメントとの飲み合わせ、服薬タイミング(どのくらいあけて薬を飲んだらいいのか)などさまざまですが、特別な内容の相談ではありません。

なんでも気軽に相談できるようになったからでしょうか。また、家族の薬の相談をいただくこともあります。家族のうちひとりがかかりつけ薬剤師の同意をいただいたところ、のちに5人家族全員のかかりつけ薬剤師になってほしいと言われたこともあり、家庭と薬局のつながりができたと感じました。

 
マリーン調剤薬局 荒井店 (宮城県仙台市若林区)
近隣医療機関:内科小児科(その他応需医療機関数:80~90施設)
かかりつけ薬剤師算定同意数:150人
かかりつけ薬剤師算定件数:平均60件/月 (2017年2月現在)