かかりつけ薬剤師に聞く
被災地の住民の健康を守るために、かかりつけ薬剤師としての思いを伝える
これからは健康サポート薬局を目指していきます
富永対象患者さんへの対応はどのようにしていますか?
桃井さん区別しているわけではありませんが、薬以外についての話も聞くことが多いと思います。震災以降、放射線の影響で帰還困難区域に家があるため戻れず、仮設住宅の暮らしをされている方がいます。また、住む環境が変わり、以前のコミュニティを失い喪失感を感じられているので、復興や地元の話で元気づけてもらえるようにしています。
眠剤がないと眠れない方には、眠剤に頼らない方法を提案します。ストレス性の高血圧の方、農業など体を動かす本来の仕事ができない糖尿病の方には、個々に食事や運動などの生活指導も含めて話をしています。成果が出た方には評価し、出なかった方にも患者さんのペースで頑張ってもらうようにアドバイス等をします。
富永薬局全体で取り組んでいることはありますか?
桃井さんかかりつけ薬剤師指導料を算定している患者さんを職員全員で意識し、話しやすい明るい雰囲気にしています。また、待っている他の患者さんには待ち時間を気にしないように職員が話しかけたりして対応しています。
最近、2名の登録販売者を中心に、OTC薬の販売に力を入れています。その成果として季節のテーマにそった品揃えで販売実績が伸びました。
富永今後のあさひ薬局のめざすことを教えてください。
桃井さん多職種の方が待ったなしで2025年の地域包括システムに向かっている中で、薬局は何ができるのか考えていかなければいけないと考えています。これからは健康サポート薬局を目指していきます。また、調剤とOTC薬の販売だけでなく、介護用品、衛生用品、福祉用具などの提供も考えて、この地域の医療介護の資源を把握し介護相談に対応していきたいです。できれば在宅訪問もスタートしたいと思っています。困っている住民へ提案できるように日々勉強は必要と考えています。
編集後記
これからも地域の住民と向き合って、地域の薬剤師の先頭を切ってのご活躍を期待しています。