かかりつけ薬剤師に聞く
被災地の住民の健康を守るために、かかりつけ薬剤師としての思いを伝える
治療に高い関心を持つ方を中心に声掛け
富永桃井さんのイメージする「かかりつけ薬局」とはどんな薬局でしょうか?
桃井さん薬以外の事でも何でも相談できる、昔の町の薬局です。「かかりつけ薬剤師算定料」ができたことで、患者さんから選ばれる薬局が評価されるようになりました。そのため、薬局の質が問われるようになってきたと思います。
富永かかりつけ薬剤師指導料を算定している患者さんはどのような方でしょうか?
桃井さん南相馬では被災地の医療費免除があり、昨年4月の時点で、ほとんどの住民の方の自己負担はありません。以前から薬局と患者との距離が近く長年の信頼関係がありました。高齢で被災者として仮設暮らしの方、治療に不安を感じやすい方、治療に関して高い関心を持っている方を中心に声掛けをしていきました。患者さんからはすぐに同意していただき、現在100人以上になっています。ただ、同意をいただくことが目的ではなく、サポートはそこからがスタートです。患者さんの話を聞き、気持ちを理解する時間の確保が必要だと感じています。今後は、糖尿病などの食事指導などが必要な患者さんをピックアップしていくことを考えています。
富永かかりつけ薬剤師料の算定に関して課題はありませんでしたか?
桃井さん自分としては、この機会に患者さんの一元管理をしてかかりつけ薬剤師としての同意をもらいたいと思い、スタッフに相談しました。今までの患者さんとの信頼関係は築けましたが、日々の業務で忙しく時間を作っていけるかが課題でした。スタッフ全員が協力すると言ってくれて、少しでも投薬の時間を確保できるようにしていきました。かかりつけ薬剤師についての説明書きの資料を掲示することで、患者さんにあらかじめ把握してもらいました。
富永患者さんへの声掛けの仕方はどのように行っていますか?
桃井さん「宜しければ、他の病院の処方箋を持って来て頂き、かかりつけ薬局としてサポートさせて下さい」と声掛けしています。「困ったことがあれば薬以外のどんなことでも24時間電話ください」「市販薬との飲み合わせの確認にもご利用ください」と誘ってみて、同意が得られたら名刺を渡します。