新たな地域医療構想を見据え、勤務環境の改善にとどまらない改革を推進(厚労省)
2026/09/10
厚労省は9月10日、2026年度医師の働き方改革の推進等に関する検討会を開催し、医療勤務環境改善支援センターの在り方、短縮目標ライン、臨床研修及びC水準の運用等について審議した。
都道府県ごとに職員配置やアドバイザー体制、医療機関への支援実績に差があることを踏まえ、勤改センターの機能強化や勤務環境改善の好事例の横展開を進める方向で議論が行われた。医師の働き方改革は、限られた医師人材を地域全体で有効活用する観点から、ICT活用やタスク・シフト/シェアに加え、医療機関相互の役割分担や医師配置の適正化を進めることが求められており、勤務環境の改善にとどまらない課題となっている。
2040年を見据えた新たな地域医療構想において、医療需要の変化や生産年齢人口の減少を踏まえ、地域ごとの医療機関の機能分化・連携や医療人材の重点配置が注目される。
【医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)による「伴走型支援」】 勤改センターについては、相談対応にとどまらず、特定労務管理対象機関等の状況把握、課題分析、時短計画の進捗確認、継続的なフォローアップなどの支援を行うことが求められている。また、勤務環境改善の成果を適切に把握できる実効性のあるアウトカム指標の設定も論点となった。
【短縮目標ライン2035年度末「960時間以下」へ段階的に縮減】 連携B・B水準については、医師の時間外・休日労働のさらなる縮減に向けた取組が進められている。今回の検討会では、医師の労働時間の実態や地域医療への影響などを踏まえながら、次期の短縮目標ラインをどのように設定するかが論点となった。
【高負荷の医療機関・診療科を特定して「実効性のある縮減」へ】 医師全体では労働時間の縮減傾向がみられる一方で、より長時間の時間外・休日労働を行う医師や大学病院勤務医では課題が残ることが示されている。今後は、こうした医療機関や診療科に対する重点的な支援の在り方が課題となる。
【臨床研修における「必要な修練時間」を確保】 臨床研修や専門研修については、医師の健康確保を前提としつつ、効果的かつ効率的な研修の実施や、研修に対する医師個人の意欲に応えることも重要な視点として示された。働き方改革の趣旨と研修機会の確保の両立が論点となっている。
【臨床研修「労働時間規制」と「研修機会」の両立を図る】 今後は、医師の健康確保を図りながら、効果的かつ効率的な研修の実施を進めることが求められる。また、制度の趣旨や運用についての理解を深める取組も重要な課題である。
【C-2水準「必要な医師が適切に使う制度」へ】 C-2水準については、適用されている医師や医療機関が限定的であることが示されている。今後は、制度の趣旨や対象となる技能等についての理解促進を図るとともに、より適切な制度運用に向けた検討を進めることが論点となった。
【医師の働き方改革「医療提供体制の再設計」へ】 検討会では、労働時間の縮減のみならず、ICT活用、業務効率化、タスク・シフト/シェア、勤務環境改善、人材の確保・養成などを通じて、限られた人員でも質の高い医療を提供できる体制づくりの重要性が確認された。また、2040年を見据えた新たな地域医療構想や医師偏在対策との連携も重要な論点として示された。

