7月中旬の閣議決定に向けて、骨太方針2026案をもとに審議(政府)
2026/07/02
政府は6月30日、経済財政諮問会議を開催し、骨太方針2026案を提示して審議した。骨太方針2026は、7月中旬の閣議決定を予定している。
1. 社会保障制度の構造改革と持続可能性の確保
【全世代型社会保障の構築】 年齢にかかわらず能力に応じて公平に負担し、必要なサービスが適切に提供される体制を構築する。
【現役世代の負担軽減】 現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す。
【給付と負担の見直し】 高齢者の受診行動や所得状況を踏まえた医療費の窓口負担割合の見直しについて2027年度予算編成過程で結論を得るほか、介護保険の2割負担判断基準の見直しも検討する。
【保険給付範囲の適正化】 OTC類似薬の保険給付見直しの施行状況を踏まえた対象拡大や、バイオ後続品の普及促進に伴う保険給付の在り方を検討する。
2. 医療・介護提供体制の効率化と質向上
【地域医療構想の推進】 2040年に向けて病床数の適正化を着実に実施し、医療機関の連携・再編・集約化を促進する。
【地域包括ケアシステムの深化】 地域の実情に応じた質の高い効率的な医療・介護サービス提供体制を構築する。
【医師・歯科医師の偏在対策】 医師の地域・診療科偏在の是正や、歯科専門職の偏在対策、医学部定員の削減に向けた取組を進める。
【経営の効率化支援】 医療・介護分野における経営情報の「見える化」を進め、経営の協働化・大規模化を支援する。
3. 医療DXと先端技術の活用
【医療DX基盤の整備】 電子カルテ普及率100%(2028年度までに対象病院)を目指し、全国的なデータ連携基盤や全国医療情報プラットフォームを拡充する。
【AI・ロボティクスの導入】 介護現場等において、AI技術や介護テクノロジーを活用した生産性向上と、職員配置の柔軟化を推進する。
【サイバーセキュリティ対策】 病院等の医療機関における外部接続点の点検や、サイバー人材の育成・養成を強化する。
4. 創薬・先端医療の成長産業化
【創薬力の強化】 医薬品産業を成長・基幹産業と位置付け、創薬ベンチャー支援や国際共同治験の体制整備を通じて「世界直行型」の開発を実現する。
【革新的デバイスの開発】 AIやロボティクスを活用した医療機器の開発エコシステムを構築し、世界市場への展開を図る。
【薬事制度・薬価の改革】 革新的新薬のイノベーションを適切に評価するための評価体系や、費用対効果評価制度の更なる見直しを検討する。
【健康医療安全保障】 抗菌薬やワクチンの国内生産基盤の整備、免疫グロブリンの国内自給率100%達成等により、供給途絶リスクを低減する。
5. 攻めの予防医療と健康寿命の延伸
【予防・健康づくりの徹底】 がん検診や精密検査の受診率向上、いわゆる国民皆歯科健診の具体化(就労世代の歯科健診推進等)に取り組む。
【データヘルスとPHRの利活用】 ライフログデータやPHR(個人健康記録)を活用し、個人に最適化されたヘルスケアサービスを社会実装する。
【女性の健康支援】 更年期世代への医療推進やプレコンセプションケア(妊娠前からの健康管理)の工程表策定と実行を進める。
【疾病対策】 認知症の早期診断・対応、アレルギー、難病、依存症、精神医療等の対策を包括的に推進する。
6. 人材確保と処遇改善
【賃上げの推進】 診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定による現場職員の他職種と遜色のない処遇改善を推進する。
【リ・スキリング支援】 医療・介護分野において、スキルの標準化・可視化から教育訓練プログラムの提供まで、一気通貫でのリ・スキリングを支援する。
【エッセンシャルワーカーの確保】 デジタル技術等を活用して高い賃金を得る「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の育成や、潜在人材の活用に取り組む。

