薬担における経済上の利益の提供による誘引の禁止を明文化(厚労省)
2026/06/29
厚労省は6月23日、経済上の利益の提供による患者誘引の禁止に関する通知を2件発出した。「患者や施設に経済的なメリットを与えて薬局を選ばせること」は原則禁止とした一方、「患者の利便性や調剤の質の向上を目的としたサービス」は認められると整理した。
判断基準は「無料NG・有料OK」ではなく、「医療・薬学的な必要性に基づくサービス」は引き続き可能であり、「患者や施設を経済的利益で誘引するサービス」は禁止となる考え方を統一し、薬担上の取扱いとして明文化した。
【保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与】 原則認められるのは、「一般的なクレジットカード会社のポイント」「キャッシュレス決済事業者が独自に実施する通常のポイント還元」「保険薬局が関与しない第三者のポイントサービス」と明示した。
つまり、薬局がポイントを付与するのではなく、決済会社が付与するものは問題ない。一方、薬局が主体となって保険調剤の一部負担金にポイントを付与する「調剤で○%ポイント還元」「処方せん受付で○ポイント進呈」など、保険調剤を経済的メリットで誘導する行為は禁止した。さらに、「保険調剤における一部負担金の1%相当を超えるポイント付与」は厚生局の口頭指導対象となり、改善されなければ個別指導もあり得ることを明文化した。
【処方箋受付サイトを運営する外部事業者による利用患者への金銭等の供与】 処方箋受付サイトによる「LINEやアプリで処方箋を送信する仕組み」の利用は利便性向上のため問題ないと整理した。一方、受付サイト運営会社が「初回無料」「Amazonギフト券や電子マネーの付与」などを行う場合は、第三者による間接的な利益提供であっても禁止対象となる場合があるとした。
【調剤した薬剤の送料】 送料は「患者の希望により配送し、送料を患者から適切に徴収すること」を原則としつつ、「薬局が個別事情を踏まえて送料を負担すること自体は直ちに違反とはならない」と整理した。その上で、「全国送料無料」「送料0円キャンペーン」「かかりつけ患者無料」などと広告・宣伝で患者を集めることは、患者誘引として指導対象となり得ると明確化した。
送料を徴収する場合は、料金の掲示や患者同意が前提となる。一方、掲示をせずに一律無料配送とし、それを患者獲得の手段として用いる場合は、「経済上の利益の提供による誘引」として問題となり得る。今回の通知は、「徴収のルール」と「無料提供による患者誘引」の双方を整理し、薬担上の取扱いを明確化した点が注目される。
整理すると、送料の無料化自体を一律に禁止したものではない。患者の個別事情に応じた対応は認められる一方、無料配送を患者誘引の手段として用いることは薬担上の問題となる。この線引きは一律ではなく、個別事案ごとに判断される。
【保険薬局による高齢者施設等への金品等の授受】 薬局が高齢者施設等に「協力金、紹介料、リベート、家賃負担、家電の寄贈、無償サービス」などを提供し、施設から患者を紹介してもらうことは、直接・間接を問わず、経済上の利益による患者誘引として禁止されることを明示した。

