春の建議の策定に向けて、社会保障制度の現状と検討課題を確認(財務省)
2026/04/30
財務省は4月28日、財政制度等審議会・財政制度分科会において、社会保障制度の現状と検討課題を確認した。
【医療分野:診療報酬・医療提供体制の効率化】 現役世代の負担上昇を抑制するため、診療報酬改定において薬価改定の財源を本体に充当せず、国民に還元することを基本とする。地域医療構想の推進により、病床機能の分化・連携を加速し、過剰な病床数の削減と効率的な配置を図る。リフィル処方箋の活用促進や、フォーミュラリ(医薬品の使用指針)の普及により、薬剤費の適正化を推進する。
【医療分野:患者負担と保険適用の見直し】 後期高齢者の窓口負担について、負担能力に応じた判断基準(2割負担の対象拡大等)を検討し、世代間の公平性を確保する。市販品類似薬(湿布薬、ビタミン剤等)の保険給付範囲の見直しを行い、セルフメディケーションを推進する。
【介護分野:介護サービス供給の適正化】 介護報酬体系について、ICTの活用や人員基準の緩和等による生産性向上を反映させ、経営の効率化を促す。通所介護や訪問介護等のサービスについて、地域差を考慮しつつ報酬単価の適正化を検討する。介護従事者の処遇改善については、公費投入だけでなく、他産業との賃金整合性や事業所の経営改善努力を前提とする。
【介護分野:利用者負担の公平化】 介護保険の利用者負担(2割・3割)の判定基準について、医療保険制度との整合性や現役世代の負担能力を勘案して見直しを検討する。多床室の室料負担(居住費)について、介護老人保健施設や介護医療院においても原則自己負担とする方向で検討を進める。ケアマネジメント(ケアプラン作成)への利用者負担導入について、制度の公平性と持続可能性の観点から引き続き検討する。
【共通事項】 マイナンバーカードを活用した医療・介護情報の連携(DX推進)により、重複検査や重複投薬を防止し、質の高い効率的なサービス提供体制を構築する。全世代型社会保障への転換に向け、給付は「効率化・重点化」し、負担は「能力に応じた公平な分担」の徹底を図る。

