2027年1月照準、電子カルテ情報共有サービスの概要案内2.0版を公表(厚労省)
2026/03/23
厚労省はこのほど、2027年1月頃に全国的な運用開始を目標としている電子カルテ情報共有サービスの概要案内2.0版を公表した。今後、運用開始に向けた技術解説書の公開や医療機関向け補助金の案内は、ポータルサイトで示す予定である。
電子カルテ情報共有サービスは、既存の電子カルテや今後導入される標準型電子カルテの間で、情報をやり取りするための共通のインフラの役割を果たす。
2025年2月から2026年3月にかけて実施されたモデル事業の検証結果に基づき、以下の理由から仕様方針の抜本的な見直しが行われた。
【見直しの背景】現場運用と仕様の乖離、および既存システムとの接続・変換における技術的課題が明確になったため、持続的なサービス運用を確保する目的で仕様全体を再整理した。
【処方情報の取り扱い】電子処方箋管理サービスで院内処方を扱う制度設計が明確化したことに伴い、診療情報提供書や退院時サマリーから処方情報を抽出・共有する方式は廃止された。
【臨床情報の定義】閲覧側の医療機関や患者の誤解を防ぐため、臨床的観点を含めて各項目の定義を再整理する。今後「医療従事者向け利用指針(仮)」が示される予定である。
サービスで提供される主な機能は、マイナ保険証による本人確認と同意を前提に、医療機関間の情報共有および患者本人への情報提供を可能とする。
【文書送受信サービス】診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーを電子的に送付する仕組みである。紹介元は事務コストを削減でき、紹介先はリアルタイムに情報を閲覧できる。
【健診文書登録・閲覧サービス】健康診断結果報告書を登録し、本人や他の医療機関、医療保険者が閲覧できるようにする。事業者健診の項目(業務歴、視力、聴力等)も新たに対象となる。
【臨床情報登録・閲覧サービス】電子カルテ内の傷病名、アレルギー、感染症、検査結果などを共有する。救急時や災害時における迅速な情報把握に寄与する。
【患者サマリー登録・閲覧サービス】医師による療養上のアドバイスを、患者がマイナポータルから確認できる仕組みである。
電子カルテ情報共有サービスにおける情報の共有・閲覧範囲、および運用のルールは以下の通り整理される。
【共有対象】診療情報提供書、退院時サマリー、健診結果、臨床情報(傷病名、感染症、アレルギー、検査43項目)に限定される。診療録(SOAP)の全文やメモ書きなどは共有されない。
【未告知情報の制御】医師が「未告知」と設定した傷病名は、他の医療機関には共有されるが、患者本人のマイナポータルには表示されない。
【電子署名】医療機関の判断により、電子署名なしでも共有可能としている。
■関連サイト: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/denkarukyouyuu.html
(概要案内2.0版)https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001457777.pdf
