2026年度改定との整合性を図る、新たな地域医療構想のとりまとめ案を公表(厚労省)
2026/02/24
厚労省は2月20日、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会を開催し、新たな地域医療構想のとりまとめ案をもとに審議した。
2040年、日本は85歳以上人口の急増や生産年齢人口の激減という、未曾有の超高齢・人口減少社会へと突入する。「新たな地域医療構想」は、この2040年を見据えた医療提供体制のグランドデザインである。これまでの病床数の調整に留まっていた枠組みを打破し、地域包括ケアシステムと連動した「医療提供体制全体の課題解決」へと舵を切る。
新たな構想は「医療計画」の一部から、全ての施策の指針となる「上位概念」へと昇格させたことで、医師確保計画や介護保険事業計画との整合性がより厳密に求められるようになる。また、人口減少地域では従来の「二次医療圏」という枠組みを超えた広域化が検討され、さらに改正医療法に基づき、新たに「精神医療」も構想の対象に加わることとなった。
新たな構想では、医療機関の機能が4つのカテゴリーに整理され、医療機関の役割が明確化される。構想の推進に向け、2026年度の診療報酬改定においても、医療機関が報告する病床機能の客観性を担保するために、各機能に対応する診療報酬の入院料の種類をガイドラインで明示するなど、報酬体系との整合性を図る方針が示されている。
実際に、改定の答申では「急性期病院一般入院基本料の新設による拠点病院の確立」や「地域包括医療病棟の再編」、「在宅・施設への後方支援機能の評価」、「リハビリテーションのアウトカム厳格化」などが盛り込まれた。
【急性期拠点機能】手術や救急医療などの高度な医療資源を集約。24時間体制の救急や緊急手術を維持し、医師の働き方改革にも対応する。
【高齢者救急・地域急性期機能】誤嚥性肺炎や心不全など、高齢者特有の救急を幅広く受け入れる。早期リハビリテーションと退院調整を行い、住み慣れた地域への復帰を支える。
【在宅医療等連携機能】24時間の往診や訪問看護、オンライン診療を駆使し、地域の「家での暮らし」を支え抜く。
【専門等機能】集中的なリハビリ、多疾病併存(マルチモビディティ)への対応など、地域特有のニーズに応える専門性を提供する。
新たな構想の策定スケジュールは、2027年度上半期までに地域の将来像(課題と区域)を固め、2028年度までに各病院の役割分担を含む具体的な構想を完成させることが予定されている。次回3月3日の検討会でガイドラインを確認する。
【2026年度〜2027年度上半期】現状の「見える化」と課題抽出 地域の人口推計や医療資源を精査し、2040年に向けた核心的課題を特定する。必要に応じて、構想区域の広域化や統合といった「地図の書き換え」もこの時期に行われる。
【2028年度】構想の完成と機能決定 遅くともこの年度までに、各医療機関が2040年に担うべき具体的な機能を決定し、新たな地域医療構想を策定する。
【2030年度〜】本格始動と成果の刈り取り 「第9次医療計画」において具体的な取組を推進し、2035年を目途に一定の成果を確保することを目指す。

