ポリファーマシー対策のポイントを周知、薬物有害事象のリスクに着目(厚労省)
2026/02/17
厚労省は2月13日、市町村セミナーを開催し、ポリファーマシー対策のポイントを周知した。
ポリファーマシーとは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、それにより薬物有害事象のリスク増加や服薬過誤などの問題が生じている状態を指す。ポリファーマシー対策の本質は、単に薬の数を減らすことではなく、「処方内容の適正化」を通じて患者のQOL(生活の質)を向上させることにある。
2026年度改定で大幅に見直しとなる「服用薬剤調整支援料2(1,000点)」では、薬剤師が主体となったポリファーマシー対策が期待されている。
▼ポリファーマシーが発生する背景
【多病と複数受診】高齢者は多くの疾患を抱えるため、複数の医療機関や診療科を受診する傾向がある。その結果、処方される薬剤が合計10種類以上に及ぶケースも少なくない。6種類以上の服用で薬物有害事象の発生頻度が上がる。
【処方カスケード】ある薬の副作用を新たな症状と誤認し、さらに別の薬が追加されるという悪循環(処方カスケード)が発生しやすい。
▼厚労省指針や老年医学会ガイドラインにおいて推奨されている対策
【特に慎重な投与を要する薬物の確認】ベンゾジアゼピン系(睡眠薬・抗不安薬)や抗コリン薬などは、高齢者の有害事象(ふらつき・転倒、物忘れ、食欲低下などの症状)のリスクが高いため、代替薬への切り替えや減量を検討する。
【服薬の簡素化】服薬回数の集約(例:1日1回にまとめる)、配合剤の活用、剤形の工夫(貼付剤など)により、飲み忘れや誤薬のリスクを低減させる。
【多職種連携】医師や薬剤師だけでなく、看護師、介護職、ケアマネジャーなどが情報を共有し、生活状況や身体機能の変化を多面的に評価(高齢者総合機能評価:CGA)することが重要である。
【本人中心の意思決定】ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の考え方に基づき、本人の価値観や意向を尊重した上で、薬の優先順位を判断し、処方を最小限にするプロセスが求められる。

