2026年度薬価制度改革の骨子たたき台、AGの先発薬価同額の特例措置(厚労省)
2025/12/15
厚労省は12月12日、中医協薬価専門部会を開催し、2026年度薬価制度改革の骨子たたき台をもとに審議した。
改革は「創薬イノベーションの評価」と「国民負担の軽減」の両立を基本理念としている。「新薬の価値を適切に維持」する一方で、「特許切れ医薬品や巨大市場品からの財源捻出」を加速させ、これにより生じた財源を、供給不安の解消や次世代の創薬支援に充当する方針である。
1. 革新的新薬の評価と維持
従来の「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」を「革新的新薬薬価維持制度(仮称)」に名称変更し、特許期間中の薬価維持を明確化する。「小児用加算等の特定用途加算」を他の加算と同時に評価できるようルールを緩和し、優先的な開発を促進する。
2. 長期収載品(特許切れ先発品)の厳格化
後発品への置き換え開始から薬価を引き下げるルール(G1適用)の開始時期を、従来の10年から5年に短縮する。特例区分(Z2・G2等)を整理・廃止し、段階的な薬価引き下げを徹底する。
3. AG(オーソライズド・ジェネリック)の特例措置
先発メーカー公認のAGに限り、新規収載時の価格を後発品価格ではなく「先発品の薬価と同額」に設定可能とする。その後の薬価改定において、先発品とAGの価格をまとめて調整する仕組みを導入する。
4. 安定供給の確保と不採算品への対応
原材料費高騰等で製造継続が困難な不採算品再算定の価格引き上げ措置を、より実効性のある運用に見直す。基礎的医薬品の範囲改訂により、外用剤(塗り薬・目薬)等の最低薬価基準について、製造実態を反映した細かな区分設定を行う。
5. 市場拡大再算定の強化
年間市場規模が1,500億円を超える品目について、効能追加等で急激に市場が拡大した場合、最大66.7%(2/3)まで薬価を引き下げる規定を導入・適用する。

