2025年度介護事業経営概況調査結果を公表、 施設系は収支改善傾向(厚労省)
2025/11/26
厚労省は11月26日、社会保障審議会介護保険部会を開催し、2025年度介護事業経営概況調査結果を公表した。
長期的に経営が厳しい施設系サービスでは、収支の改善傾向が確認された。介護老人福祉施設(特養)は1.3%から1.4%に微増して引き続き黒字を維持した。介護老人保健施設(老健)は、2023年度決算の▲0.4%から2024年度決算では1.0%へと黒字に転換した。介護医療院も▲0.2%から0.1%とわずかにプラスに転じた。
在宅系サービスの柱である訪問介護の収支差率は、2023年度決算の11.1%から2024年度決算では9.6%に低下した。これは、在宅ニーズの高まりがある一方で、人手不足の深刻化や物価高騰によるコスト増といった経営圧力が反映されたと考えられる。
介護事業費用の大宗を占める給与費は上昇している。介護老人福祉施設(特養)の常勤介護職員の平均給与月額は、2023年度から2024年度にかけて増加している。これは処遇改善策や労働市場の逼迫を反映した結果であり、職員確保には不可欠であるものの、事業所の収支を圧迫する要因ともなっており、次期介護報酬改定においてその適切な評価が課題となる。

