医薬品卸の現状を踏まえ、流通改善に向けた今後の対応の方向性を整理(厚労省)
2025/11/05
厚労省は11月5日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会を開催し、医薬品卸の現状を踏まえ、流通改善に向けた今後の対応の3つの方向性について審議した。
物価高騰・人件費上昇の状況下において、製薬メーカーの価格設定で逆ザヤになっている品目も一部あり、医薬品卸は逆ザヤ納入価を得意先へ提示せざるを得ない状況にある。また、総価交渉の解消が進まず、卸にとっての流通不採算取引の解消となっていない。流通改善に向けた今後の対応の方向性は以下の通り。
【①流通コストを意識した適正な流通取引の環境整備】インフレ基調下での安定供給確保のため、流通の効率化や、災害・供給不足に備えた持続可能な安定供給体制基盤の整備など、卸の役割を整理し、見える化・明確化を図る。
【②過度な薬価差の偏在是正に向けた方策の検討】施設・カテゴリー別の取引実態や単品単価交渉の実施状況を継続的に把握・公表し、実施効果を検証する。一括交渉(ボランタリーチェーン、価格交渉代行者等)においても単品単価交渉を推進するため、多様な取引形態と契約上の課題を整理する。
【③流通の非効率性是正に向けた取引慣行の是正】未妥結減算制度の趣旨を踏まえた頻回な価格交渉の是正状況について、関係者から現状と問題点を収集し、必要に応じて対応策を議論する。一社流通の課題についても検討していく。

