2027年介護保険制度改正に向けて、4つの具体的な方向性を確認(厚労省)
2025/10/02
厚労省は9月29日、社会保障審議会介護保険部会を開催し、地域包括ケアシステムの深化、持続可能性の確保をはじめ、2025年度税制改正に伴う介護保険制度の対応について審議した。地域包括ケアシステムの深化、持続可能性の確保では、2027年介護保険制度改正に向けて、4つの具体的な方向性を確認した。
①給付と負担の見直し(一定以上の所得基準を引き下げて利用者負担「2割負担」の対象拡大、多床室の室料負担の見直し)
②軽度者サービスの見直しと地域支援事業への移行(要介護1・2の高齢者に対する「訪問介護」の生活援助サービスや「通所介護」の一部サービスを地域支援事業へ移行、そのサービス提供の担い手の多様化(ボランティアやNPOなども含む)、地域の実情に応じた柔軟な支援の提供と給付費の効率化)
③ケアマネジメントの利用者負担の導入(居宅介護支援の有料化、低所得者への配慮措置や負担上限の設定などの必要な調整)
④介護現場の効率化と経営基盤の強化(ICT機器を活用した人員配置の効率化・基準緩和、法人間の合併や事業統合・共同購入・人材シェアリングなどの経営の協働化・大規模化の推進)
2025年度税制改正に伴う介護保険制度の対応では、税制改正による「給与所得控除の最低保障額の引き上げ(55万円→65万円)」が、市区町村の予期せぬ収入不足となり、介護保険の財政に与える影響が懸念されている。それを調整し、保険運営に支障がないようにするため、2026年度の介護保険料は、合計所得金額などが変わらなければ、2025年度と同額の保険料を適用することを決定した。