2026年度診療報酬改定に向けて、主に入院医療に関わる課題を整理(厚労省)
2025/09/18
厚労省は9月18日、中医協の入院・外来医療等の調査・評価分科会を開催し、2026年度診療報酬改定に向けて、主に入院医療に関わる次の課題が挙げられた。
【急性期入院医療(その3)】地域の救急搬送数や手術件数、総合性をどう評価するか。特に人口が少ない地域や離島での拠点病院の機能評価が課題。加算要件が複雑化し、地域の実情に合わない場合があり、診療報酬上の評価も課題。
【働き方・タスクシフト/シェア(その4)】多くの医療機関で医師事務作業補助者を確保できず、診療報酬上の枠組みにテコ入れが必要。生成AIなどのICTは効率化に有効だが、約8割の病院でICT活用の導入・活用が進んでいない。
【医師の診療科偏在(その2)】外科領域の高難度手術の集約化と、小規模な手術とのバランス、連携評価の仕組みが必要。負担の大きい外科系診療科に対して、実効性のあるインセンティブ強化が有効とされている。出産・育児を経ても女性医師のキャリアを継続できる柔軟な働き方の保証が課題。
【透析医療】血液透析以外の選択肢(腹膜透析、腎移植)を提示していない医療機関が約半数存在するなど、患者に対する情報提供の不足が課題。緩和ケアや医療用麻薬の使用が十分に進んでいない。
【小児・周産期医療】医師配置要件が厳しいMFICU(母体・胎児集中治療室)の体制(届出施設数)が減少している。小児期から成人期への移行に伴う小児成人移行期医療における診療報酬上の医学管理の評価が途切れる場合がある。
【災害医療】災害支援で人員を派遣した場合に、病院の施設基準(人員配置など)を満たせなくなる問題があり、施設基準の柔軟性が必要。診療所におけるBCP(業務継続計画)策定率は約3割と低い点の改善が必要。
【業務の簡素化】医療機関が最も負担と感じているのは、計画書作成や患者・家族の署名・押印である。DPCデータは入力に手間のかかる項目が多く、簡素化が課題となっている。