冬季の流行に備え、新型コロナワクチン定期接種を強く推奨(日本感染症学会等)
2025/09/10
日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会はこのほど、2025年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解を発表した。
高齢者のCOVID-19による重症化や死亡のリスクは依然として高く、冬季の流行に備え、2025年10月から始まる定期接種を強く推奨している。COVID-19は5類感染症に移行後も、2024年と2025年に冬と夏に流行を繰り返している。これは、数か月ごとに変異を繰り返すオミクロン株が免疫を回避する力を強めているためである。2024年の日本のCOVID-19による死亡者数は3万5,865人となり、インフルエンザの死亡者数を上回った。2025年も高齢者の入院患者は7月までに3万人を超え、重症化リスクはインフルエンザと同等かそれ以上である。
2024年秋に使用されたJN.1対応新型コロナワクチンは、65歳以上で発症予防効果が52.5%、60歳以上で入院予防効果が63.2%であったと報告されている。しかし、ワクチンの効果は接種後数ヶ月で減衰するため、インフルエンザワクチンと同様に流行株に対応した新たなワクチンの追加接種が必要であるとした。今回の定期接種には、ファイザー、モデルナ、武田薬品工業、第一三共、Meiji Seikaファルマの5種類が使用できる見込みとされている。