2040年に向けて地域別戦略で福祉サービスを再構築、課題は人材確保(厚労省)
2025/08/04
厚労省は7月25日、2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめを公表した。
我が国の福祉サービス提供体制は、2040年に向け、加速する高齢化と人口減少に地域差があることを踏まえ、「地域包括ケアシステム」の深化と「地域共生社会」の構築を目標とし、各地域の状況に応じた変革が迫られている。全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3タイプに分類し、それぞれに特化した対策を講じていく。
福祉サービス全体の喫緊の課題は、介護人材の確保であり、処遇改善と賃上げを強力に推進し、多様な人材の確保・育成、離職防止に注力する。そして、DXによる業務効率化や生産性向上も不可欠であり、テクノロジー導入支援、AI活用による事務作業軽減、デジタル中核人材の育成が進められる。さらに、都道府県単位での人材確保・定着、プラットフォーム機能の充実を通じて、地域の実情に応じた実践的支援を展開する。
また、2040年には85歳以上の医療・介護複合ニーズを持つ者が急増するため、地域医療構想との連携を密にし、医療介護連携を強化する。介護予防と健康づくりの推進では、高齢者の自立支援と重度化防止を図り、介護保険制度の持続可能性を高める。この他、福祉サービスの共通課題解決と地域づくりには、事業者、行政、関係団体、専門職など、あらゆる関係者の連携が不可欠となる。この分野横断的な連携が、全世代が支え合い暮らせる「地域共生社会」の実現につながるとした。
これらの議論は、社会保障審議会などで深め、必要な制度改正や財政支援を順次行っていくことを確認した。