後期高齢者の資格確認の変更点、オンライン資格確認の改善ポイントを周知(厚労省)
2025/07/15
厚労省は7月11日、医療機関・薬局の窓口に訪れる患者に対する資格確認方法等に関するセミナーを開催し、解説資料と解説動画を公表した。
今回の見直し事項を周知するため、マイナ保険証利用促進の広報支援を充実させた。厚労省サイトではガイドブック、ポスター、リーフレット、FAQ、不具合チェックシートなど多様な広報ツールが提供されている。2024年6月には新聞広告も掲載され、各医療機関での周知活動に活用できる。詳細や疑問点があれば、公式ポータルやコールセンターや問い合わせフォームでの確認が可能となっている。
①後期高齢者の保険証は2025年7月31日に失効
後期高齢者医療制度の健康保険証は2025年7月31日で失効し、2025年8月1日以降はマイナ保険証または「資格確認書」の提示が必須となる。後期高齢者医療制度に既にご加入されている方や、新たに加入される方(令和8年7月末までの暫定措置)に対しては、保険者から申請によらず職権交付される。
なお、マイナンバーカード未取得者、保険証利用登録未済者、電子証明書期限切れ者等の対象者には、保険者が職権または申請により「資格確認書」を交付する。有効期限は保険者が5年以内で設定できる。
②マイナ保険証受付不能時の対応策を周知確認
ネットワーク障害や機器トラブル、資格無効や証明書切れ時には受付ができないケースがある。その際、マイナンバーカード提示後も受付不能の場合は、マイナポータル上の資格情報表示や「資格情報のお知らせ」で受付が可能となり、追加の紙保険証提示は不要となる。
上記情報も提示できない場合は、再診は口頭確認、初診は「被保険者資格申立書」記入で資格確認を行う。顔認証カードリーダー故障時等には、居宅同意取得型オンライン資格確認を活用。医療機関職員がモバイル端末でマイナンバーカードを読み取り、本人を目視で確認する方法である。
レセプト請求時は、確認可能な被保険者番号を入力し、不明時は聞き取りや過去記録に応じて入力するか、被保険者番号「7」で不明レセプトとして提出する。
③オンライン資格確認のさらに利便性向上に向けた改修
顔認証カードリーダーの「目視確認モード」改修により、操作のみで切り替え可能となり、救急外来・高齢者・小児対応がよりスムーズに見直された。過去薬歴閲覧にも有効である。医療費助成受給者証・診察券をマイナンバーカードに一体化するシステム改修に対し、2025年度も補助金が継続される。これにより、患者は1枚で受付が可能となり、医療機関の事務負担が軽減される。
スマホ保険証の導入動向では、iPhoneへの電子証明書搭載は2024年6月24日実施済となった。2025年度には一部医療機関(15施設)で実証実験中であり、2025年9月頃をめどに順次利用開始予定。利用にはスマホ用電子証明書と顔認証付きカードリーダーまたは汎用カードリーダーへのスマホかざし操作が必要である。
④訪問・オンライン診療での居宅同意型対応の義務化
訪問診療およびオンライン診療におけるオンライン資格確認(居宅同意型)の経過措置は2024年12月1日で終了となる。以降は、患者から求めがあれば医療機関は応じる義務が生じ、対応するにはシステムの環境設定が必要である。