病院の経営動向、現況は改善傾向も赤字体質は継続、病床稼働率は低迷(WAM)
2025/07/09
福祉医療機構(WAM)はこのほど、四半期ごとにまとめている「病院経営動向調査の概要(2025年6月調査)」を公表した。
調査によると、全国の病院経営において一部に改善の兆候が見られるものの、依然として厳しい赤字体質から脱却できていない実態が明らかになった。医業収益を示すDIはプラス10ポイント上昇し、改善傾向を示したが、医業利益DIはマイナス50と、依然として強い赤字圧力が継続している。人材面では、従業員数DIがマイナス35から改善傾向を示したが、人手不足は依然として深刻である。
コスト面では、人件費の増加DIがプラス78と高水準を維持し、病院経営を圧迫している。残業時間DIもプラス13と微増傾向にあり、業務負担の増大が示唆される。病床利用率DIはマイナス12まで下落し、稼働率の厳しさが浮き彫りになった。一方で、入院単価DIはプラス9と上昇し、価格転嫁の動きが見られる。
しかし、競合の厳しさを示すDIはマイナス46と依然高止まりし、厳しい経営環境が続いている。病院経営は、依然として、人員確保、コスト抑制、そして抜本的な経営構造改革が喫緊の課題となっている。