全国医療情報プラットフォームの構築に向けた「電子カルテ・共有サービスの最新スケジュール」
2025/07/02
今回は、2025年7月1日開催、医療DX令和ビジョン2030 厚生労働省推進チームにおいて示された、全国医療情報プラットフォームの構築に向けた「電子カルテ・共有サービスのスケジュール」のポイントを整理していきます。
医療DXを実現するための、矢継ぎ早のシステム導入や度重なる改修は、現場の負担となり、うんざりし ている方も少なくないでしょう。しかし、システムやアプリ開発では「アジャイル開発」 と呼ぶ、トラブルのリスクを最小限に抑えてスムーズに移行する最も合理的なアプロー チとして一般化されています。
「アジャイル開発」は、数年先のゴールに向けて一度にす べてを開発してリリースするやり方では完成時にシステムが陳腐化してしまうことから、 リスクを低減する手法として、医療 DX でも効率的な推進のために活用されています。
■ 標準型電子カルテ・共有サービスの普及に向けたスケジュール
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電子処方箋の導入目標は、2025年3月~夏頃までに全国医療機関・薬局への普及を目指していましたが、「電子カルテを整備しているすべての医療機関への電子処方箋導入」を新たに目指すことに改めます。
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これは、電子処方箋の導入を諦めたわけではなく、一気に導入を進める方針へと転換したことを意味します。方針転換ができた理由は、薬局での電子処方箋対応の環境が整備(=処方箋情報のデジタル化)できたため、医療機関への導入を急ぐ必要がなくなったからです。
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そして、電子カルテの導入目標は、「2030年までに、すべての医療機関へ患者医療情報を共有する電子カルテ」として導入を目指します。
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○電子カルテの仕様は既存オンプレミス型からクラウドネイティブ(SaaS等)への移行を促進する。○電子カルテ導入済み医療機関に対しては、システム更新時に電子処方箋・共有サービス対応のシステム改修を求める。○電子カルテ未導入機関に対しては、標準化された電子カルテ(標準型)導入を推進するため、2025年度中に標準型電子カルテの本格運用内容を示し、2026年度中の仕様完成を目指す。2025年度中に医科診療所向け標準仕様を策定する。
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