医療・介護分野の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版(案)」
■ 全体的な方針
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【賃金向上と成長型経済の実現】
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実質賃金を毎年1%程度上昇させる目標を掲げ、成長型経済への転換を推進。
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特に中小企業と小規模事業者を対象に、生産性向上と賃金環境の整備を計画。
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【DX・GX推進】
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デジタルトランスフォーメーション (DX) とグリーントランスフォーメーション (GX) の推進を含む、多岐にわたる分野での投資を計画。
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医療、農業、防災などさまざまな分野で具体的な取り組みを提案。
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【スタートアップ支援】
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地方発のエコシステム構築や資金供給強化を通じて、スタートアップの成長を促進。
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【地域経済の活性化】
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規制緩和や地方でのイノベーション拠点の整備を通じて、地方経済を高度化。
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■ 医療・介護・ヘルスケア分野の重点施策
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【医療DXの推進】
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電子カルテの導入率向上: 現在の導入率を50%から100%に引き上げる目標が掲げられており、医療機関間での情報共有や診療効率化が促進されます。
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ヘルスケア産業の国際競争力強化: デジタル技術を活用したリモート診療やオンライン資格確認システムの普及によって、質の高い医療サービスが提供される予定。
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【地域医療と介護の融合】
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地域医療構想に基づき、不要な病床の削減を進め、医療資源の有効活用を図ります。
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介護現場の負担軽減のため、ロボティクスやAI技術の導入を推進。これにより介護従事者の働きやすい環境が整備されることが期待されています。
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【ウェルビーイング重視のヘルスケアシステム】
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プラネタリーヘルスの視点を取り入れ、環境保護と国民の健康を両立させる持続可能な体制が構築されます。
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気候変動への対応とヘルスケアシステムの強化を目指し、環境と健康のコベネフィットを重視する政策が取り組まれています。
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これらの内容を踏まえた骨太方針2025は、6月中に公表されます。
骨太方針は政府の経済財政運営の全体像を示すものであり、医療分野においては、診療報酬改定や多岐にわたる医療制度改革の方向性を決定づける最も重要な政策文書として機能しますので、注目していくことが重要です。