医療・介護分野の「経済財政運営と改革の基本方針2025(原案)」のポイント整理
■ 医療分野の重点施策
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【医療費の健全化と効率的な資源配分】
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医療費全体の支出見直しを通じ、無駄な経費を削減しながら、必要な医療サービスへの資金投入を確保する。高額治療費制度や治療報酬の制度改革により、将来に向けた財政の持続可能性が図られる。
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【医療DXの推進】
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電子カルテやICTの普及、データ管理の高度化による業務効率化を実現し、診療プロセスの質向上に寄与する。医療現場におけるデジタルシステムの導入で、迅速な情報共有や遠隔医療の拡充が期待される。
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【医療提供体制の再構築と連携強化】
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地域ごとの医療資源の偏在を是正し、地域医療ネットワークを再編する。医師やその他医療従事者の適正配置、緊急時の対応力の強化など、医療サービスの均質化と安全性の向上を目指す。
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【医療ガバナンス・制度改革の遂行】
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医療機関の経営や報酬体系、評価制度の見直しを通して、医療サービスの質を高める。現場の声を反映したガバナンス体制で、透明性ある制度運用の実現を促す。
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■ 介護分野の重点施策
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【介護保険制度の抜本改革と財政の持続可能性確保】
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介護保険制度や関連支出の見直しにより、無駄を削減しながら必要な介護サービスへの安定的な財源投入を目指す。財政健全化とともに、高齢者の安心した暮らしを支える介護体制の強化が図られる。
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【地域包括ケアシステムの構築】
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医療、介護、福祉の各分野が連携し、住み慣れた地域で包括的なサービスを提供できる体制を整備する。地域間での連携強化により、利用者のニーズに沿った柔軟かつ質の高い支援が実現される。
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【介護現場のデジタル化と効率化】
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ICTやロボット技術などの先端技術を導入し、介護業務の効率化や職員の労働負担軽減を狙う。デジタルシステムの普及により、サービス提供の迅速化と質の向上が期待される。
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【介護人材の確保・育成と処遇改善】
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介護従事者の待遇改善や研修制度の充実を通じ、安定した人材確保とスキルアップを図る。現場の負担軽減とともに、質の高い介護サービスを維持するための施策が推進される。
これらの内容を踏まえた骨太方針2025は、6月中に公表されます。
骨太方針は政府の経済財政運営の全体像を示すものであり、医療分野においては、診療報酬改定や多岐にわたる医療制度改革の方向性を決定づける最も重要な政策文書として機能しますので、注目していくことが重要です。