ゲノム医療施策に関する基本的な計画の確定に向けて進捗状況などを確認(厚労省)
2025/05/19
厚労省はこのほど、ゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループを開催し、「ゲノム医療施策に関する基本的な計画(案)」をもとにゲノム医療施策の方針を審議した。
併せて、政府の健康・医療戦略推進本部は5月16日、データ利活用・ライフコース協議会の初会合を開催し、ゲノム医療推進法に基づく基本計画及び全ゲノム解析等実行計画の進捗状況などを確認した。
我が国のがんゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査が2019年6月に保険適用となって以来、急速に普及し、2025年3月末までに保険診療での検査登録患者数は10万例を超えた。
がん患者の生存率が近年向上している背景には、がんゲノム医療の診断技術の向上による早期発見をはじめ、手術・放射線・薬物療法といった治療法の多様化と進歩だけでなく、複数の治療を組み合わせる集学的治療の普及、臨床試験・研究の推進、さらには拠点病院などの医療提供体制の整備といった複合的な要因が相互に作用している。
日本のゲノム医療を飛躍的に発展させるための国家戦略として策定された「全ゲノム解析等実行計画2022」は日本のゲノム医療を世界最高水準に引き上げる多角的な戦略とロードマップであり、今回審議された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画(案)」は全体的な方針を示す上位の計画となる。
法的な枠組みと具体的な実行計画が整うことで、検査技術の進歩に留まらず、診断、治療、予防、創薬に革命をもたらし、がんだけでなく、難病や希少疾患、認知症、感染症、生活習慣病など、幅広い疾患領域でのゲノム医療全体の発展が期待されている。
「ゲノム医療推進法に基づく基本計画」は近々に正式に確定される予定となっている。