切れ目のないポリファーマシー対策の薬物療法情報提供書作成ガイドを公表(国長研)
2025/04/03
国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは3月31日、薬剤師向けガイド「切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド」を公開した。
ガイドは、厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)の一環として作成された。薬物療法情報提供書の作成方法や記載例、必要な情報の整理方法を示し、多職種間の情報共有の重要性ならびに情報提供書への回答書の作成について解説している。
患者が入院・退院・在宅療養・介護施設などの異なる環境を行き来する際、薬に関する情報が十分に共有されないと、必要な薬が継続されなかったり、不要な薬が処方されたりすることがある。特に高齢者は複数の病院を受診し、多くの薬が処方されることが多いため、ポリファーマシーの問題が深刻化しやすく、適切な情報提供が不可欠だとした。
薬物療法情報提供書は、主に病院薬剤師が作成し、急性期病院・回復期病院・慢性期病院・在宅医療など、さまざまな医療環境で活用され、情報を受け取るのは薬剤師だけでなく、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、リハビリ専門職などの多職種であり、チーム医療の中で活用されている。そして、薬物療法情報提供書は電子媒体を活用することで、より迅速で正確な情報共有が可能になるため、今後の電子的な情報連携の推進が期待されている。