2023年度特別養護老人ホーム経営状況、入所者確保、利用率維持が課題(WAM)
2025/03/24
福祉医療機構は3月21日、特別養護老人ホーム(5,456件)の2023年度決算を分析した「2023年度 特別養護老人ホームの経営状況」の結果を報告した。
待機者数と利用率の推移では、待機者数は年々減少し、利用率も短期入所ほどではないものの、特養入所も低下傾向であった。待機者数と利用率の減少は、ほかの居住系サービスの整備が進んだことや、高齢者の人口が減少しつつある地域もあることが影響していると推察した。今後を見据えても、入所者の確保、利用率の維持が一層厳しくなることが見込まれるとした。
経営状況が良好な施設では、特養入所・短期入所ともに利用率が高く、待機者数も多く登録されている一方、短期入所の利用率が低い区分ほど、介護報酬上の地域区分における「その他」の地域に所在する割合が高い傾向が確認できた。過疎地域を含む「その他」の地域では人口減少の影響もあり、待機者や利用者の確保に苦戦している様子がうかがえる。あるいは従事者を十分に確保できず、やむなく短期入所の稼働を一部制限しているケースもあると推察した。