健康サポート薬局の都道府県認定など、薬機法改正に向けてポイント整理(厚労省)
2025/01/14
厚労省は1月10日、1月24日召集の通常国会に薬機法改正案を提出するうえで、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会のとりまとめを公表した。
とりまとめでは、薬機法改正に向けて、①医薬品の品質確保及び安全対策の強化、②品質の確保された医療用医薬品等の供給、③ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備、④薬局機能・薬剤師業務のあり方の見直し及び医薬品の適正使用の推進-に関する見直しポイントを整理した。
①医薬品の品質確保及び安全対策の強化/②品質の確保された医療用医薬品等の供給
- 製造販売業者に対する安定供給体制管理責任者(仮称)の設置を義務付け、安定供給のための必要な措置(手順書の作成等)を遵守事項として規定
- 製造販売業者に対する供給状況報告・供給不安報告の厚生労働大臣への届出の義務化(製造販売業者が限定出荷・供給停止を取った場合の義務)など
- 供給不足の恐れがある場合や災害時等の一定の場合に限定して、麻薬卸売業者による隣接する都道府県の区域内にある麻薬小売業者等への麻薬譲渡の緩和
- 感染症対策物資と同様に、安定確保医薬品の必要な措置の要請、需給状況の把握のための製造販売業者等に対する報告徴収等の規定を設ける
③ドラッグ・ラグやドラッグ・ロス解消に向けた創薬環境・規制環境の整備
- 成人用の医薬品の承認申請者に対して、小児用医薬品開発の計画策定を努力義務とする
- 特定用途医薬品指定制度の対象として新有効成分等の申請区分を新たに加えるとともに、再審査期間も申請区分に応じて設定
- 自家細胞を用いた再生医療等製品のうち規格外品について安全性確保や患者の求め、医師が有用性を認めた提供であること等の要件を満たす場合に限って、販売、授与等を許容
④薬局機能・薬剤師業務のあり方の見直し及び医薬品の適正使用の推進
- デジタル技術を活用した薬剤師等の遠隔管理による医薬品販売(薬剤師等が常駐しない受渡店舗における管理店舗の薬剤師等による遠隔での管理)
- 調剤業務の一部外部委託の制度化(受託側および委託側の薬局における必要な基準の設定、両薬局の開設者および管理薬剤師に係る義務や責任を法令上規定)
- 薬局の機能等のあり方の見直し(地域連携薬局は居宅等における情報の提供および薬学的知見に基づく管理・指導を主要な機能として位置付け、健康サポート薬局は患者が継続して利用するために必要な機能および個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する都道府県知事の認定に見直し)
- 薬局機能情報提供制度の見直し(薬局開設の許可権者と同様に報告先に保健所設置市市長および特別区区長を含める)
- 医薬品の販売区分及び販売方法の見直し(処方箋なしでの医療用医薬品の販売の原則禁止、やむを得ない場合における販売方法の明確化)
- 要指導医薬品に係るオンライン服薬指導方法の追加(オンライン服薬指導のみでの販売を不可とする例外の範囲、要指導医薬品から一般用医薬品に移行しない場合の要件を明確化)
- 濫用等の恐れのある医薬品の販売方法や確認事項等の厳格化(頻回購入に対しての適切な業務手順等の整備)
- 処方箋等の保存期間の見直し(調剤済み処方箋および調剤録の保存期間を5年間とし、カルテの保存期間の不整合を解消)