2024年度診療・介護・障害トリプル改定、改定率は診療▲0.12%、介護+1.59%(厚労省)
2023/12/20
厚労省は12月20日、予算編成過程の大臣折衝で決定した診療・介護・障害トリプル改定の改定率を公表した。
診療報酬全体は▲0.12%(=本体+0.88%+薬価等▲1.00%)のマイナス改定となったが、介護報酬は+1.59%、障害福祉サービス等報酬は+1.12%のプラス改定となった。
診療報酬本体や介護報酬・障害福祉サービス等報酬のプラス改定により、処遇改善や賃上げ、入院時の食費基準額(1食当たり30円)の引き上げに係る財源が確保される形となった。この他、医療DXの推進による医療情報の有効活用等に対して充当される。
▼診療報酬本体改定率 +0.88%(国費800億円程度)
【内訳】
①+0.46%:40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分(+0.28%)を含む
②+0.61%:看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記除く)に2024年度にベア+2.5%、2025年度にベア+2.0%を実施する特例的な対応
③+0.06%:入院時の食費基準額の引き上げ(1食当たり30円)の対応(うち患者負担は原則1食当たり 30 円、低所得者は所得区分等に応じて10~20円)
④▲0.25%:生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化
▼薬価等改定率 ▲1.00%(国費▲1,200億円程度)
【内訳】
①薬価:▲0.97%(国費▲1,200億円程度)
②材料:▲0.02%(国費▲20億円程度)
▼介護報酬改定率 +1.59%
【内訳】
①介護職員の処遇改善分:+0.98(2024年6月施行)
②その他の改定率:+0.61%(介護職員以外の処遇改善)
★改定率の外枠★処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や、光熱水費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果として+0.45%相当の改定が見込まれ、合計すると改定率+2.04%相当の改定
▼障害福祉サービス等報酬改定率 +1.12%
★改定率の外枠★処遇改善加算の一本化の効果等があり、それを合わせれば改定率+1.5%を上回る水準の改定
一方では、プラス改定により処遇改善や賃上げ等が見込まれる中、かかりつけ医機能の評価やリフィル処方の推進に関わる「生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化(▲0.25%)」と、敷地内薬局に係る特別調剤基本料の是正が見込まれている「調剤基本料等の適正化」が具体的に明示された。
医薬品関連では「長期収載品の選定療養」として、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの又は後発医薬品の置換率が50%以上となったものを対象に、後発医薬品の最高価格帯との価格差の3/4までを保険給付の対象とすることとし、2024年10月より施行するとした。