診療報酬・介護報酬ともにマイナス改定、合理化・適正化の必要性を示唆(財務省)
2023/11/02
財務省は11月1日、財政制度等審議会財政制度分科会を開催し、2024年度診療報酬改定に関係する社会保障などの歳出改革について審議した。事業規模3兆円半ばとする少子化対策の加速化プランの財源確保には歳出改革の徹底が必要であり、2024年度改定においては国民負担を軽減する観点から、診療報酬・介護報酬ともに合理化・適正化等を進めていく必要があると明示した。
医科の診療報酬においては、診療所の極めて良好な経営状況や内部留保の実態等を踏まえ、診療所の初・再診料の引き下げ等により、現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当とした。リフィル処方箋の推進では、一定の利用率に達するまで処方箋料を時限的に引き下げる案を示唆した。
薬局に係る調剤報酬では、処方せん集中率が高い薬局の調剤基本料1の適用範囲、地域支援体制加算1と2の要件の厳格化の必要性を提示した。薬価改定に係る後発品等の安定供給の課題では、短期的な対応のみならず、後発医薬品の産業構造のあり方を含め、中期的な視点から総合的な対応策を講じる必要があるとして、流通実態も踏まえ、薬価における対応の検討を示唆した。
介護報酬に関しては、具体的な介護給付の適正化が必要な領域として、収支差が良好な介護サービス単価や、サービス付高齢者向け住宅等におけるケアマネジメントの適正化、画一的なケアプラン・利用者の囲い込みの是正、訪問介護の同一建物減算の強化、急増する訪問看護への対応・適正化、加算の重点化と整理統合などが挙げられた。障害福祉サービスに関しても、収支差率を踏まえた報酬水準の適正化を徹底するととともに、サービスごとの状況を踏まえてメリハリのある対応が必要だとした。