医療用医薬品の流通改善、総価取引・一社流通・価格交渉代行のGL見直し(厚労省)
2023/09/28
厚労省は9月28日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会を開催し、医療用医薬品の流通改善に関する課題を確認し、流通改善ガイドライン(GL)の改訂について審議した。具体的には「総価取引」「一社流通」「価格交渉代行」「その他(返品や頻繁な価格交渉など)」に関する事項の追加・修正が検討課題となっている。
「総価取引」を改善するための措置として、医療上必要性の高い医薬品について、過度な価格競争により医薬品の価値が損なわれ、結果として安定供給に支障を生じさせる恐れがあるため、当該医薬品を従来の取引とは別枠とする改訂が必要だとした。
「一社流通」は症例数や納入施設、供給量が限られている等の理由から、メーカーが取引卸売業者を一社に限定しているケースが95社中64社235品目となっている。一社流通の問題点は価格交渉ができず、一社流通ではない場合と比べ損失が出る点、既存取引卸での取扱いがなく、新たな卸との契約が生じるなど手続や管理が煩雑になる点が挙げられた。
「価格交渉代行」による取引条件等を考慮せず、ベンチマークを用いての取引交渉や成果報酬を目的とした過大な値引き交渉は改善が必要である点を確認した。これらの見直しは12月頃にとりまとめる改訂案に盛り込み、改訂を経て2024年度に取引への反映を目指している。