医療・介護の給付費用の効率化の必要性、診療報酬引き上げに慎重な意見(財務省)
2023/09/28
財務省は9月27日、財政制度等審議会・財政制度分科会を開催し、財政総論として医療・介護の給付費用の効率化の必要性について確認した。
これまで医療費は、高齢化や医療の高度化などにより、毎年2~3%増加している。今後も75歳以上人口の増加をはじめ、高齢化が続くことから医療費の増加が見込まれる状況となっている。医療・介護の給付費用はこの20年で大幅に増加し、公費負担・保険料負担も増加している。給付費用は経済成長率以上に伸びており、現役世代の負担能力を考えれば、持続可能な状況とは言い難い状況にあり、今後、更に給付費用自体の抑制に取り組む必要があるとした。
診療報酬・介護報酬1%の引上げで保険料等は約3,000億円増加となる点、診療所での受診1回あたりの収入が急伸している点や、コロナ禍における3年間で巨額の国費(補助金等)が医療機関に交付され、病床確保料、ワクチン接種支援だけでも5兆円に上ると見込まれる点から、診療報酬の引き上げに慎重な意見が出された。
2024年度診療・介護報酬同時改定は歳出改革の大きな目玉となり、年末の予算編成に向けて、今秋の建議は11月下旬に取りまとめる予定となっている。予算編成では、少子化対策の安定財源確保などの課題が山積している。