2024年度改定に向けて、調剤基本料・地域支援体制加算の見直しを提言(財務省)
2023/07/04
財務省は6月30日、2023年度予算執行調査「6月公表分」の結果を公表した。
調査結果のうち、薬局経営に関わる調剤報酬では、調剤基本料と地域支援体制加算の問題点と今後の検討に向けた方向性が提言された。調剤基本料は処方箋の集中率と受付回数の側面から評価されているが、集中率の低い薬局の方が備蓄している医薬品目数が多い傾向があるため、処方箋集中率が高い薬局は原則として調剤基本料1の対象から除外すべきであり、集中率70%超の薬局に調剤基本料2を適用した場合の医療費削減効果は▲400億円となるとした。
また、地域支援体制加算において、調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1と2の要件は大幅に緩和されているが、当該加算の制度趣旨に沿った要件になっておらず、地域連携薬局の認定を要件に変えれば▲1,300億円の医療費削減効果となるとした。また、処方箋集中率が高い薬局は原則として対象から除外するなど、算定要件の見直しを行うべきではないかと提言した。
調剤(P47~50):https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506_all.pdf#page=49
この他、介護事業に関わる介護サービス事業者の経営状況等においては、法人の現預金・積立金等の水準が上昇しているにもかかわらず、一部の法人において職員の給与に十分に還元されていない可能性があるため、職員給与への適切な還元を促進する仕組み作りを検討すべきであると提言した。併せて、現状、保有資産を含めた分析が可能なのは社会福祉法人のみであるため、介護サービス事業を行う医療法人や営利法人等についても同様に、貸借対照表等の公表を求め、保有資産を含めた「見える化」を推進する必要があるとした。
また、複数事業所の経営や事業規模の確保を推進することにより、事業者の経営状況の安定・改善を図るとともに、職員1人当たり給与の引上げにつなげることが重要であり、経営能力の向上に向けた支援や制度の改善等をはじめ、事業の協働化・大規模化に向けた取組を進めるべきであると提言した。
介護(P44~46):https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506_all.pdf#page=46