規制改革実施計画を閣議決定、医療・介護の規制改革推進の検討事項を明示(政府)
2023/06/22
政府は6月16日、規制改革実施計画を閣議決定した。政府は、規制改革を成長と分配の好循環の起爆剤としていくために必要不可欠な取り組みと位置づけ、「骨太方針2023」とは別枠で「規制改革実施計画」を策定した。
医療分野では、医療等データやNDBなどのビッグデータの利活用を進めて二次利用を推進させていく点、在宅医療における医療関係職種間のタスク・シフト/シェア等の推進を拡充させていく点、医師が非常駐の通所介護事業所や公民館等の身近な場所におけるオンライン診療の受診の解禁を目指している点などが注目される。
介護分野では、管理業務を行う管理者の人員配置基準について同一・隣接又は近接の敷地に所在する複数の事業所での兼務可能な範囲の見直し等を検討する点、常勤又は専任の有資格者の配置要件等について質が担保された介護が提供されることを前提に介護従事者の柔軟な働き方の支援の観点から必要な検討を行う点、有料職業紹介事業者の指針遵守が徹底される点がポイントに挙げられる。
医療DXの推進に関しては6月2日に医療DX推進本部が決定した工程表に基づき、DXを通じたサービスの効率化・質の向上を実現し、国民の保健医療の向上を図るとともに、最適な医療を実現するための基盤整備を推進していく。
(医療)
- 医療等データの利活用法制等の整備
- NDBの利活用の容易化等
- 通所介護事業所や公民館等の身近な場所におけるオンライン診療の受診の円滑化
- 要指導医薬品についてのオンライン服薬指導の実現
- プログラム医療機器(SaMD)等の開発・市場投入の促進
- 患者等の負担の軽減のための公費負担医療制度等に伴う審査支払業務等の見直し
- 各種レセプト関連業務のDX化に伴う見直し
- 医療関係職種間のタスク・シフト/シェア等(在宅医療を提供する環境の整備・在宅領域など地域医療における医師―看護師のタスクシェア・在宅医療における円滑な薬物治療の提供・在宅患者に対する円滑な点滴交換等)
- 薬剤師の地域における対人業務の強化(対物業務の効率化)
- 報酬制度における常勤・専任要件の見直し等
- 医療・介護・保育分野における人材確保の円滑化のための有料職業紹介事業等の制度の見直し
- 新型コロナウイルス及び季節性インフルエンザを同時に検査可能な抗原定性検査キットの利用環境の整備
- オンライン診療を活用した小児かかりつけ医の検討
- 救急救命処置の範囲の拡大・救急救命処置の先行的な実証
- 妊産婦の産後の血糖管理に係る保険診療上の取扱いの明確化
- 情報銀行における健康・医療分野の要配慮個人情報の取扱い
(介護)
- 科学的介護の推進とアウトカムベースの報酬評価の拡充
- 介護サービスにおける人員配置基準の見直し
- 報酬制度における常勤・専任要件の見直し等
- 医療・介護・保育分野における人材確保の円滑化のための有料職業紹介事業等の制度の見直し
- 情報銀行における健康・医療分野の要配慮個人情報の取扱い