出荷停止・限定出荷によるドラッグ・ロス解消を求める提言の報告書案を整理(厚労省)
2023/06/07
厚労省は6月6日、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会を開催し、検討会の報告書案をもとに審議した。
近年、日本では医薬品の出荷停止・限定出荷におけるドラッグ・ロスにより、安定的に供給されるという神話は崩壊の危機に瀕している。政府において2007年より後発品の数量シェアの目標を定めた使用促進策が早急に進められ、その結果、後発品は今や品目数では医療用医薬品全体の約半数を占めた一方、製造の非効率な後発品企業の少量多品目生産や低収益構造により、コンプライアンス違反企業の製品の出荷停止に発展し、他社製品に発注のしわ寄せが発生して限定出荷となり、医薬品の供給不安の影響が拡大した。
世界的なモダリティの変化やこれに伴う創薬主体の変化に必ずしも現行の薬事制度や薬価制度が適合していないという現状の中で、医療上特に必要な革新的医薬品が迅速に患者に届く環境を整備するためには、これらを大胆に見直すことが必要であると提言した。そしてドラッグ・ロスが解消し、少しでも早く患者の元に届くよう、速やかに対策を講ずるべきであるとした。検討会における課題の分析と対応策の方向性を踏まえ、担当省庁において検討の上、速やかな実施を求めた。