規制改革推進に関する答申、医療はデジタルヘルスとタスクシフト/シェアを推進(政府)
2023/06/05
政府は6月1日、「規制改革推進に関する答申~転換期におけるイノベーション・成長の起点~」およびその概要を公表した。
政府は、規制改革を成長と分配の好循環の起爆剤としていくために必要不可欠な取り組みと位置づけている。今回の答申は審議結果を取りまとめたものであり、政府として6月中に「規制改革実施計画」を策定して骨太方針2023とともに閣議決定していく。
ヘルスケア分野に関わる施策は「医療・介護・感染症対策」として整理された。人口構造の変化による課題解決に向け、①デジタルヘルスの推進(データの利活用基盤の整備)によって予防や重症化防止等を実現することで医療・介護制度への負担を軽減する点、②タスク・シフト/シェア(不足する専門職種のタスクを充足する他の専門職種が補うこと)によって地域の医療関係職種の偏在に対応し、個別の医療機関や介護施設等の生産性向上、処遇改善を図る点を実施していくために、規制・制度改革が必要であるとした。
具体的には、①デジタルヘルスの推進では「医療等データの利活用法制等の整備」や「NDBの利活用の容易化等」、「科学的介護の推進とアウトカムベースの報酬評価の拡充」、「公費負担医療制度等に伴う審査支払業務等の見直し」、「各種レセプト関連業務のDX化に伴う見直し」が挙げられ、「デジタル技術を活用した健康管理、重症化防止」では通所介護事業所や公民館等の身近な場所におけるオンライン診療の受診の円滑化、要指導医薬品についてのオンライン服薬指導の実現、SaMD等の開発・市場投入の促進を行う。
②医療関係職種間のタスク・シフト/シェア等では、「在宅医療に係る環境整備、医師―看護師のタスクシェア、円滑な薬物治療、看護師不在時における円滑な点滴交換等」をはじめ、「介護サービスにおける人員配置基準の見直し」、「障害福祉分野における手続負担の軽減」、「報酬制度における常勤・専任要件の見直し等」、「有料職業紹介事業等の制度の見直し」、「法定健康診断項目の合理化等」などが挙げられ、早期の実現を目指していくことを明示した。