2040年の社会情勢の変化への対応、3つの視点から将来像を検討する提言(健保連)
2023/05/23
健保連はこのほど、「医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(制度の変遷と将来構想の検討)報告書」を公表した。2040年の社会情勢の変化に対応するため、3つの視点から将来像を検討することを提言した。
1つ目は、医療ニーズの変化、医療費の増加に対し、医療保険制度の持続性確保のためには、医療費の伸びを抑制する対策が不可欠であるとした。必要な時に必要な医療・介護が受けられるよう、医療・介護DXやAI等の技術を活用した一層の効率化と質の向上を図りつつ、適切な受診を推進すべく、制度的な見直しを図る必要があるとした。
2つ目は、多様な働き方の包摂と制度の持続性の確保として、被用者保険の適用拡大や新たな被用者類型の創設とともに、国民健康保険の役割の強化など、医療保険制度の枠組みの見直しが必要であるとした。また、これらを通して、国民皆保険制度の支え手がひろがり、公平な保険料負担が実現することを望んでいる。
3つ目は、健保組合に求められる役割、人口構成とともに、加入者像も変化する中、健保組合の運営体制の強化として、DXを通じて保険者機能の新たな可能性を見出し、健保組合の強みとしていくための体制整備を行い、データ分析・活用を通じて、保険者としての政策提言力を強化するとした。