オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針の策定に向けて(厚労省)
2023/05/16
厚労省は5月12日、社会保障審議会医療部会を開催し、オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針案をもとに、遠隔医療の更なる活用について審議した。
今回の議論における遠隔医療の推進に向けた基本方針は、「オンライン診療」と「医師等医療従事者間での遠隔医療」に関する遠隔医療全体の推進に向けた施策が整理され、現行のオンライン診療単体の指針とは色合いが異なっている。
「オンライン診療等(医師と患者間での遠隔医療)」では、通院に伴う患者負担の軽減及び継続治療の実現、訪問診療および往診等に伴う医療従事者の負担軽減、医療資源の柔軟な活用、患者がリラックスした環境での診療の実施、感染症への感染リスクの軽減が、期待される役割に挙げられた。
今後の取組みとして、国は医療機関が導入時に参考とできるような事例集、手引き書、チェックリスト等の作成、オンライン診療等に関する課題の整理、エビデンスの収集や構築等を行い、都道府県及び市町村では地域でオンライン診療を実施している医療機関について住民が把握しやすいように工夫する点を基本方針に盛り込むことを確認した。
他方、「医師等医療従事者間での遠隔医療」では、遠隔放射線画像診断、遠隔病理画像診断、遠隔コンサルテーション、遠隔カンファレンス、遠隔救急支援、誘導心電図伝送、遠隔ICU、遠隔手術指導等において、医療資源の少ない地域における医療の確保への貢献、効率的・効果的な医療提供体制の整備、医療従事者の働き方改革等への寄与が、期待される役割に挙げられた。
今後の取組みとして、国は医療機関が導入時に参考とできるような事例集、手引き書等の作成、遠隔医療に関する課題の整理、エビデンスの収集や構築等を行い、都道府県及び市町村では、遠隔医療に関する地域における先行事例を把握し、導入を検討中の医療機関に対して、導入済みの医療機関を紹介するなど、医療機関間の連携関係の構築を支援する等を基本方針に盛り込むことを確認した。