5月8日以降の医療提供体制・診療報酬・公費支援・自己負担軽減の変更点(厚労省)
2023/03/20
厚労省は3月17日、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」の事務連絡を発出した。
5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置づけの5類感染症への移行により、これまでの2類相当の入院措置を原則とした行政の関与を前提とする「医療提供体制」ならびに「入院・外来の医療費(公費支援)」が一部見直しとなるため、医療機関による自律的な通常の対応への見直しについて整理されている。
医療提供体制では、外来は発熱患者等の診療又は検査を行う「診療・検査医療機関」を「外来対応医療機関」に名称を変更して、引き続き発熱患者等が検査・診療にアクセスできるように対応する。
入院は「確保病床を有していた重点医療機関等(約3,000)」による重症・中等症Ⅱ患者への重点化、「これまで受入れ経験のある重点医療機関等以外の医療機関(約 2,000)」における軽症・中等症Ⅰ患者の受入れに対応し、高齢者の受入れは「地域包括ケア病棟」等の活用が不可欠となっている。
入院調整は行政による調整から、他の疾病と同様に入院の要否を医療機関が判断し、医療機関間での調整に移行となることから、入院可能な病床を医療機関間で確認できるよう医療機関間の連携、行政や医師会の関与が必要となる。
診療報酬上の評価は、暫定的な診療報酬措置を経て、期限を区切りながら段階的な見直しを重ねて、2024年4月の診療報酬・介護報酬同時改定では恒常的な感染症対応へと移行が図られる。
外来および在宅の評価は、感染対策を一定程度評価し、届出の簡略化といった事務負担の軽減等に伴い、特例措置を見直す一方で、入院調整等は各医療機関が実施することになることを踏まえ、これらの業務に対しての評価が追加される。時限的・特例的な電話・オンライン診療に係る診療報酬上の特例措置(0410対応)については、5月8日以降、経過措置を置いた上で廃止することが予定されている。
なお、2類相当で適用されていたコロナ患者の診療を拒否できる「医師法第19条第1項に基づく応召義務」の違反にならない解釈は、5類移行により「応召義務」が適用される。
入院の評価は、重症・中等症患者等に対する救急医療管理加算の評価(倍率)が半減とする一方で、介護業務の増大等を踏まえ、リハビリテーションや入退院支援体制が充実した「地域包括ケア病棟」等での患者受入れを加算として新たに評価する。
そして、5類移行による急激な患者負担の増加を回避するため、医療費の自己負担等に係る一定の公費支援は期限を区切って継続する。新型コロナウイルス感染症治療薬の費用の公費支援は、夏の感染拡大への対応として9月末までの措置とする。ただし、新型コロナウイルス感染症治療薬以外の外来医療費の公費支援については、他の疾病との公平性を踏まえて5月8日以降に終了となる。
入院医療費においては高額療養費制度と減額措置により自己負担の軽減が図られる。
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